今回は、『子供との関係が変わる 自分の親に読んでほしかった本』について解説します。
本書は、フィリッパ・ペリーさんによる親子関係や人間関係についての本です。
著者：フィリッパ・ペリーさんのプロフィール
フィリッパさんは、英国の心理療法士であり、テレビ番組やラジオ番組の司会もこなしています。
親子関係や人間関係についての専門家であり、自分が子どもだったころの親との関係が、現在の子育てにどのように影響するかを深く探求し、親子の絆を深めるための秘訣を教えています。
自分の親に読んでほしかった本：要約
本書は、子育ての負の連鎖を断ち切る方法や、親子のコミュニケーションの取り方や、子どもの心の健康の育み方や、子どもの行動が変わる行動指針など、実践的なアドバイスが満載です。
本書を読めば、親子の絆を深めるための具体的な方法を身につけられるでしょう。
キャッチコピーをつけるなら『親子関係は修復できる！』です。
それでは各章を解説します。
第１章：子育ての遺産は連鎖する
本章では、過去は私たち（と、子どもたち）を攻撃することや、断絶と修復のプロセスを通して自分の親との関係を見つめ直すことの重要性を説明しています。
また、頭の中のネガティブな声を遮断する方法や、『良い親』と『悪い親』の概念についても触れています。
第２章：子どもの環境を見直す
本章では、大事なのは家族構成ではなく、どう暮らしているかが大事だと語っています。
また、両親が一緒に暮らしていない場合や、一緒に暮らしている場合のそれぞれのメリット・デメリットも紹介しています。
さらに、議論していいときといけないときや、親愛の情を育むにはどうすればいいかについても教えています。
第３章：感情に向きあう
本章では、感情の扱い方を学ぶことや感情をあるがままに受け入れることが、なぜ重要か？を解説しています。
また、子どもの感情を無視するとどうなるかについても説明しています。
さらに、親子のコミュニケーションの取り方についても詳しく説明しています。
- 感情の断絶と修復やコントロールはせず、共感する。
- 子どもが話せる相手になる。
- どんな気持ちも受け入れる、など。
第４章：親になるための土台をつくる――妊娠と出産
本章では、妊娠や出産に関する様々な悩みや不安に対して、具体的な対処法やアドバイスを提供しています。
例えば、妊娠・出産期に知っておきたいことがたくさん書かれています。
- 『理想の妊娠』に振り回されない。
- あなたはどちらの親タイプか。
- 赤ちゃんとの関係づくり。
- 出産計画。
- 本能に従う。
- 親子のつながりを築くための初めの一歩。
- 親にだってサポートが必要、など。
第５章：心の健康を育む
本章では、子どもの心の健康を育むために必要なことを幅広く紹介しています。
- 親子の絆。
- コミュニケーションは、『ギブ・アンド・テイク』。
- 最初の対話。
- 赤ちゃんとのコミュニケーション。
- 『対話』が難しいとき。
- 積極的に観察する。
- スマホ依存の影響。
- 人には生まれつき対話する力がある。
- 子どもだって１人の人間である。
- 悪循環を断ち切る方法。
- なぜ子どもは親にくっつきたがるのか。
- 子育ての意味。
- 普段の気分を安定させる。
- 寝かしつけと大人の睡眠。
- 『ナッジ』で寝かしつける。
- 助けるのではなく、サポートする。
- 遊ぶことの意味、など。
第６章：行動を変える――すべての行動はメッセージ
本章では、子どもの行動を変えるために親ができることを具体的に示しています。
- 手本となる人物。
- 勝ち負けのゲームをやめる。
- いま目の前のことに集中する。
- 子どもに必要な４つのスキル。
- 子どもの問題行動が意味すること。
- ポジティブな時間の使い方。
- 気持ちを言葉にして行動変容を助ける。
- 説明は逆効果。
- 親はどこまで厳しくするべきか。
- 子どもの癇癪への対処法。
- 子どもがグズグズ言うとき。
- 親が嘘をつくとき。
- 子どもが嘘をつくとき。
- 正しい境界線を引く。
- 思春期の子どものための境界線。
- 青年期の子どもにどう接するか。
- 親子関係は終わらない、など。
子どもに必要な４つのスキルは次のとおりです。
１．コミュニケーションスキル
さまざまな人と意思疎通するスキルです。
言葉だけでなく、表情や身振り手振りなどの『ノンバーバルコミュニケーション』も重要です。
このスキルを身につけると、自分の考えや、感情を伝えたり、他者の考えや、感情を理解したり、協力したり、対立を解決したりできます。
２．コラボレーションスキル
協力しあうスキルです。
自分の役割や責任を果たすだけでなく、他者の意見や能力を尊重し、共通の目標に向かって努力することが求められます。
このスキルを身につけると、チームワークや、リーダーシップを発揮したり、創造的なアイデアや、解決策を生み出したりできます。
３．クリティカルシンキングスキル
与えられた答えだけに頼らず、あらゆる問題を自分の力で分析したり解決できるスキルです。
情報を収集し、論理的に整理し、批判的に評価し、自分の判断や、意見を形成することが必要です。
このスキルを身につけることで、誤った情報や偏見に惑わされることなく、自分で考え行動できます。
４．クリエイティビティスキル
創造力を発揮できるスキルです。
既存の枠組みや常識にとらわれず、新しいものや方法を考えたり実現したりできます。
このスキルを身につけると、変化に対応したり、イノベーションを起こしたり、芸術的な表現をしたりできます。
自分の親に読んでほしかった本：まとめと感想
- 本書は親子関係や人間関係に関する本。
- 親子の絆を深めるための秘訣を教えてくれる。
- 子育ての負の連鎖を断ち切る方法など、実践的なアドバイスが満載。
- 夫婦や職場の人間関係にも使える。
- 自分のことをより深く理解できるようになる。
本書は、フィリッパ・ペリーさんによる、親子関係の修復に関する、深い洞察を提供する一冊です。
特に印象に残るのは、子育ての負の連鎖を断ち切る方法と、親子間のコミュニケーションの改善に関する部分でしょう。
過去の経験が現在の子育てに、どのように影響するかを理解し、より良い親子関係を築くための具体的なアプローチが示されています。
また、子どもの心の健康を育むためのアドバイスも有益です。
子どもの行動に隠されたメッセージを理解し、それに応じて適切に対応する方法が示されており、これは子育てにおいて重要なポイントとなっています。
ただ、親子の絆を深めるための秘訣を実践することは、決して簡単ではありません。
自分の感情や過去の傷や、親や子どもの欲求や期待など、様々な要素が関係に影響を与えるからです。
それでも、自分自身の親との関係を振り返り、それが現在の子育てにどのように影響しているかを理解することで、親子関係に変化を感じられるでしょう。
総じて、本書は、子育てに悩む親、または、自分の子育て方法を見直したいと考えている人にとって、おすすめの一冊となっています。
親子関係や人間関係についての本ですが、『自分自身についての本でもある』のです。
本記事の内容は、youtubeでも視聴することができます。
コメント