今回は『87歳、現役トレーダー シゲルさんの教え 資産18億円を築いた「投資術」』について解説します。
本書は、藤本茂さんによって書かれた、自身の投資経験と知恵が書かれた本です。
著者:藤本茂さんのプロフィール
藤本さんは、19歳から投資を始め、87歳になった今でも現役のデイトレーダーとして活動し、資産18億円を築いているカリスマ個人投資家です。
本書を読めば、その藤本さんの投資の知恵と人生の教訓を学ぶことができます。
キャッチコピーをつけるなら『デイトレは脳トレ!』です。
現役トレーダー シゲルさんの教え:要約
それでは、各パートを解説します。
パート1:19歳で投資を始めて68年
本パートでは、藤本さんの幼少時代から専業投資家になるまでの経歴と相場の変遷を振り返っています。
また、大切にする相場の格言や時代を読む力の重要性なども語っています。
藤本さんは、高校卒業後、ペットショップに勤めていましたが、そこで証券会社勤務のお客と出会い株の話をするようになりました。
そして、19歳の時に株を買ったことが投資人生の始まりです。
バブル最盛期には資産10億円に達しましたが、バブル崩壊で2億円まで減らしました。
しかし、66歳でパソコンを買い、インターネット取引を開始して以来、デイトレードを続けています。
パート2:80銘柄を月6億円売買
本パートでは、藤本さんのデイトレードの魅力と基本を紹介しています。
- 自分のペースで取引できる。
- リスクを低く抑えられる。
- 利益をすぐに確定できる。
- 相場の変化に応じて柔軟に対応できる。
藤本さんのデイトレードは、午前2時から行われます。
まず、米国の株式市場の終値やニュースをチェックし、日本の相場の動きを予測します。
そして、今日の勝負銘柄を決めます。
藤本さんが大切にしている格言は、『頭と尻尾はくれてやれ』です。
これは、相場の最初と最後の部分は他の投資家に譲るという意味です。
そして、トレードが終わったらその日の反省をしています。
勝ち負けや損益を確認し、失敗があれば原因と改善点を考える。
趣味のアンティークコイン集めや散歩で投資のヒントを拾うこともあるそうです。
- 成行注文と指値注文、現物取引と信用取引の使い分け。
- 成行注文:すぐに約定させたいときに使う。
- 指値注文:希望する価格で約定させたいときに使う。
- 現物取引:自分の資金で株を買う方法。
- 信用取引:証券会社から借りた資金で株を買う方法。
パート3:シゲル流「1:2:6」のルール
本パートでは、藤本さんが守っている株の売買のルールを説明しています。
「1:2:6」のルールとは、株の売買において、1回の取引で利益を2%以上、損失を6%以下にするというルールです。
これは、利益を確定させることと損切りをすることの重要性を示しています。
それから、銘柄選定において「増収・増益・増配」に着目しています。
企業の業績や財務状況を重視していて、売上高・純利益・配当金が増加している企業を選んでいます。
また、デイトレードに向く銘柄と向かない銘柄を見分ける方法も紹介しています。
- デイトレードに向く銘柄:値動きが大きく、出来高が多く、流動性が高い。
- デイトレードに向かない銘柄:値動きが小さく、出来高が少なく、流動性が低い。
さらに、藤本さんは中小型株をトレードの主戦場にしています。
中小型株は大型株に比べて、値動きが大きく、機関投資家の影響を受けにくいという特徴があります。
実際にトレードする際は、テクニカル分析を重視しています。
テクニカル分析とは、株価や出来高などの過去のデータをもとに、株価の動きやトレンドを予測する方法です。
藤本さんは、移動平均線やボリンジャーバンドなどのテクニカル指標を使って、売買のタイミングを決めています。
他にも、決算プレイといって、企業の決算発表前後に株を売買することで株価の変動による利益を狙う方法も紹介しています。
パート4:下がったら買う 上がったら売る
本パートでは、藤本さんの株価の動きに対する考え方と対策を解説しています。
株価を動かすのは「材料」ではなく「人の心理」だと考えていて、自分の勘や成功体験に頼らず、他の投資家の思惑や行動を読むことが重要だと言っています。
また、相場の流れには逆らわず、柔軟に対応することが重要だとも述べています。
有名投資家の発言にも注意を払いますが、鵜呑みにしないことが大切です。
ナンピンするときは、資金力や損切のタイミングを考えましょう。
仕手株やIPOセカンダリーに参加するときも同様です。
機関投資家の動きを見極めれば、機関投資家に勝つこともできます。
- ナンピン:株価が下がったときに同じ銘柄を追加で買うこと。
- 仕手株:株価を操作するために大量に売買される株。
- IPOセカンダリー:新規上場した株の初値からの値動き。
パート5:デイトレードは究極の“脳トレ”
本パートでは、藤本さんが株で勝つために必要な「心・技・体」のバランスが大切だと言っています。
- 心:自分の感情や心理をコントロールする力。
- 技:株の知識や分析力・判断力。
- 体:健康な身体と生活習慣。
これらの要素が一致しないと株で勝つことは難しいです。
株で儲けたいなら、自分の頭を使うことが必要です。
デイトレードは、究極の“脳トレ”だとし、脳の回路を刺激し、記憶力や集中力・判断力を高めると言っています。
年をとっても判断力が衰えないのは、常に新しい情報や知識を取り入れ、自分の考えをアップデートしているからです。
しかし、間違いや失敗は素直に認め、反省することも大切だと述べています。
株で儲けるには自分で全責任を負わなくてはいけません。
トレーダーは孤独を愛し、他人の意見に左右されるべきではないのです。
現役トレーダー シゲルさんの教え:まとめと感想
本書は、藤本茂さんの長年にわたる投資経験と、知恵を集約した本です。
藤本さんの投資哲学は、「心・技・体」のバランスを重視し、自分の感情や心理をコントロールする力・株の知識や分析力・判断力、そして健康な身体と生活習慣を大切にすることです
本書は、デイトレードの基本から、銘柄選び・テクニカル分析・決算プレイ・機関投資家との戦い方まで、具体的な方法を詳細に解説しています。
特に印象的だったのは、藤本さんがデイトレードを、「究極の脳トレ」と位置づけ、株価の変動やニュースを毎日チェックすることで脳を活性化させるという考え方です。
また、株で儲けたいという強い意志と、自分の判断で投資を行うことの重要性も強調されています。
総じて、本書は、株式投資に興味がある人、特にデイトレードに挑戦したい人、投資の世界で成功したい人にとって、おすすめの一冊となっています。
投資は自己責任で行いましょう。
本記事の内容は、youtubeでも視聴することができます。
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