今回は『仕事の辞め方』について解説します。
著者:鈴木おさむさんのプロフィール
鈴木おさむさんは、放送作家としてバラエティーを中心に数々の人気番組の構成を担当し、映画やドラマの脚本・エッセイや小説の執筆・舞台の作・演出など多岐にわたるジャンルで活躍しています。
しかし2023年に、2024年3月限りで放送作家業・文筆業からの引退を宣言しました。
仕事の辞め方:要約
鈴木さんはなぜ辞めようと思ったのか?
それは仕事に対する情熱が失われたことが最大の理由だと述べています。
仕事にワクワクしなくなった結果、老害になり、周囲に迷惑をかけると考え、仕事を辞める決断をしたのです。
しかし、仕事を辞めることは、決して自己犠牲ではなく、自分の幸せを見つめ直すチャンスでもあるのです。
自分の人生を俯瞰し、価値観や目標を明確にすることで、自分が本当にやりたいことや、自分にとっての幸せとは何かが見えてきます。
本書を読めば、老害と呼ばれず、天職と出会う方法もわかるでしょう。
キャッチコピーをつけるなら『老害になったら自ら辞めろ!』です。
- 仕事の辞め方。
- 天職との出会い方。
第1章:仕事を辞めるタイミング
まず、どういうタイミングで仕事を辞めるべきかを解説します。
結論から述べると『ソフト老害』になりそうだと自覚したタイミングで仕事を辞めましょう。
ソフト老害とは、仕事の能力やスキルは高いですが、以下のような態度をとる人のことです。
- 新しいことに挑戦しない。
- 変化に対応しない。
- 若手の意見を聞かない。
ソフト老害になると、自信やプライドが高く、自分のやり方が正しいと思い込み、人の言うことを聞かなくなります。
仕事に対する情熱やワクワク感もなくなり、仕事をこなすだけの人間になってしまうのです。
こうなると周りに迷惑をかけるし、自分もつまらないでしょう。
もしソフト老害になりそうだなと自覚したら、その時に仕事を辞めましょう。
第2章:自分の代わりはいる
しかし、今までやっていた仕事はどうなるのか?
自分が辞めてしまったら、それこそ迷惑がかからないだろうか?
そう考える人もいるでしょうが、だいじょうぶです。
自分の代わりは、世の中にはいくらでもいます。
組織というのは、だれか1人が辞めても回るようにできているのです。
さらに、自分が空けた席に後進が座ることで、組織に新陳代謝が促されます。
例え組織にとって重要なポジションであったとしても、自分が果たしていた役割や責任がほかの人に引き継がれ、空いた穴を埋めようとすることでより強化されていくものです。
もちろん、仕事で築いた人間関係や信頼を失ったり、存在を忘れられる可能性もあるでしょう。
しかしその一方で、自分の可能性を広げ、本当にやりたいことや天職に出会うきっかけにもなります。
どこかで割り切る必要があるなら、老害と呼ばれるまえに、自ら決断した方が気持ちよく送り出してもらえるでしょう。
第3章:老害化のサイン
しかし、自分では老害化したと気がつきにくいかもしれません。
老害と自覚するには、どういう点に気をつければ良いのでしょう?
結論から述べると、ワクワクしなくなったら老害になったと自覚し、仕事を辞めるべきです。
本書では、この状態をビジネスセックスレスと呼んでいます。
マンネリ化して、楽しいと感じなくなっていたり、緊張感がなくなっていたら要注意です。
これらのサインは、仕事に対する興味やモチベーションの低下、新しい挑戦への抵抗、自分の成長や変化に対する無気力感などを示唆しています。
惰性で仕事するのはつまらないものです。
しかし、ラクではあるし、変化するのが億劫でもあるでしょう。
その考えが老害化の第一歩です。
仕事を辞める決断は、たしかに大変です。
しかし、自分の生活や幸福を向上させるための一歩となります。
新たな挑戦や可能性を模索することで、より充実した人生が待っているかもしれないのです。
- 仕事に対して熱意や興味が湧かない。
- ワクワクしない。楽しめない。
- 惰性で仕事をしている。
第4章:仕事を辞めるための心構え
仕事を辞めるためには、辞めるための心構えを身につけましょう。
まず、会社を辞めて成功している人や、逆に上手くいっていない人の事例を把握しましょう。
会社を辞めて成功している人は、辞める前に自分のやりたいことや目標を明確にしています。
辞めることはゴールではなく、新しいスタートなのです。
辞めた後の人生を具体的にイメージして、計画的に行動することが成功のカギとなります。
一方、上手くいってない人は、辞めることに固執している人です。
辞めることで自分の問題が解決すると思い込んでいて、実際には辞めた後のことを考えていません。
たんに仕事を放棄して逃げるだけでは、また同じような問題に直面することになるでしょう。
そうならないためには、辞めるまでのストーリーづくりが大事になります。
辞めることは自己で選択した結果であり、ストーリーづくりは、自分を納得させるための重要なプロセスなのです。
このストーリーは次の仕事や人生に活かすための貴重な資産となり、得た経験や教訓を通じて自分の強みや弱み、価値観や目標を見つめ直す機会となるでしょう。
辞めることで失うものもあるでしょうが、最終的には自己成長に繋がるはずです。
結果がどうあれ、辞めた自分を納得させられるだけの物語が人間には必要なのです。
- 自分のやりたいことや目標を明確にする。
- 具体的にイメージして計画的に行動する。
- 辞めるまでのストーリーをつくる。
第5章:仕事を辞める準備
仕事を辞める心構えができたら、仕事を辞める準備を始めましょう。
事務的な手続き以外にも、準備には慎重な計画が必要です。
まず、50代になると仕事の費用対効果が低下する傾向があるため、早めに仕事を辞める可能性を検討し始めましょう。
30代後半からは将来のために種まきを行い、興味や関心に基づく新しい挑戦やスキルの向上を図っておけば、辞める時に役立つでしょう。
同時に、「好奇心力」を鍛え、新しい発見やチャンスに積極的に関わる力を育むことも重要です。
お金についても考慮し、お金の管理を通じて人生の目標や価値観を見直し、仕事を辞めた後の生活の安定を確保しておきましょう。
不動産の購入は信用力向上に寄与し、仕事を辞めた後の融資やローン取得が容易になります。
また、ライフチェックを通じて生活における無駄を見つけ、シンプルで満足度の高い人生に向けて調整することも有益です。
最後に、仕事を辞める日は個人的な意味のある日を選べば、新しいスタートを切る気持ちを強化できます。
- 新しい挑戦やスキルの向上を図っておく。
- 好奇心を育んでおく。
- 退職後の生活資金を確保しておく。
- 退職日は個人的な意味のある日を選ぶ。
ここまでできたら、上司に退職の意志を伝えましょう。
このとき、できるだけ穏やかで前向きな態度で伝えることが重要です。
辞める理由を簡潔に伝え、感謝や謝罪の気持ちを表明し、円満な別れを目指しましょう。
同時に、担当していた業務や引き継ぎに関する整理を行い、メモや付箋を活用して情報を残すことで、後任者や同僚に対する配慮を示すのです。
辞めることを話す順番は、迷惑をかける順にするのが望ましいです。
最初に直属の上司に伝え、理由や時期、引き継ぎに関する詳細を共有しましょう。
その後、仕事のパートナーやクライアントにも辞めることを説明し、最後に同僚や部下にも報告しましょう。
このような順序で話すことで、迷惑をかける範囲を最小限にし、円滑なコミュニケーションを図れます。
- 前向きな態度で伝える。
- 感謝や謝罪の気持ちで円満退社を目指す。
- 引き継ぐ情報を残し、後任に配慮する。
- 迷惑をかける順番に伝える。
最後に、辞めることを話す際には相手の立場や気持ちに敏感になり、迷惑をかけないよう心がける一方で、辞めることに対して過度な期待や不安を抱かず、自然に受け入れて新しい人生を楽しむことが大切です。
円満に退社できれば、夢を共有し、理解・応援してくれる仲間も現れるかもしれませんよ。
第6章:天職との出会い方
「天職」と出会うには、「手放すこと」から始めましょう。
人間は空いたスペースを埋めたがる生き物です。
しかしスペースには限界があります。
自分の人生に不要なものや幸福に寄与しないものを手放すことで、本当に重要な価値や幸福につながるものが明確になり、それらを空いたスペースに埋めることができます。
まずは今抱えている仕事を断捨離するのです。
そのうえで「手放すことリスト」を作り、自分の価値観や優先順位を見直しましょう。
ここで、「天職」との出会い方においては、「思いつき」に従うことが鍵となります。
自分の直感や感性から発せられるアイデアやヒントに注意を払い、それらに従うことで自分の興味や関心に合った仕事に巡り会うことができると鈴木さんは述べています。
- まずは不要な仕事を手放す。
- 「手放すことリスト」をつくる。
- 直感や感性に従う。
仕事の辞め方:まとめ
- ソフト老害になりそうなら仕事を辞める。
- 自分がいなくても仕事は回る。
- ワクワクしないと感じたら辞め時のサイン。
- 仕事を辞めるまえのストーリーづくりが大切。
- 辞めることを話す順番は迷惑をかける順番が良い。
- 天職と出会うには、まず不要な仕事を手放す。
最後に、仕事を辞めることで、「幸せとは何か?」という問いの答えも考えるようになったそうです。
人間はいつ死ぬかわかりません。
このことを意識し、老いることにただ怯えるのではなく、限りある時間をどう生きるか真剣に考えれば、今の仕事を辞めるべきかどうかもおのずと答えが出るでしょう。
仕事を辞めるかどうかは、より良い人生にするための選択肢の一つでしかないのです。
本記事の内容は、youtubeでも視聴することができます。
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