今回は『Think Bigger「最高の発想」を生む方法：コロンビア大学ビジネススクール特別講義』について解説します。
本書は、世界的心理学者であるシーナ・アイエンガー教授が開発した、「Think Bigger」という創造性と問題解決のためのメソッドを紹介した本です。
著者：シーナ・アイエンガーさんのプロフィール
シーナ・アイエンガーさんは、コロンビア大学ビジネススクールの教授で、心理学者です。
選択や創造性に関する世界的な専門家で、多くの本や論文を書いています。
経営思想界のノーベル賞と呼ばれる「Thinkers50」に4度選ばれたり、米大統領から若手研究者賞を受けたりするなど、多くの栄誉を得ています。
自分の研究をもとにしたメソッド「Think Bigger」を開発し、コロンビア大学で人気の講義をしています。
Think Bigger 最高の発想を生む方法：要約
本書では、Netflix・ピカソ・ガンディーなどの事例をもとに、発想するとは選び抜くことであり、そのためには課題を分解し、別領域の解決策を探し、戦術の組み合わせを試すなどのステップを踏む必要があると説明しています。
本書を読めば、「Think Bigger」のメソッドを身につけ、課題の最適な解決策を見つけられるでしょう。
キャッチコピーをつけるなら『その発想は無かった！』です。
第１章：「Think Bigger」とは？
本章では、「Think Bigger」の思考法の概要と目的、基本的な考え方とどう役に立つかを紹介しています。
この思考法は、自分がやりたいことをはっきりさせて、小さく分けて、ほかの分野でうまくいったやり方を見つけて、いろいろなやり方をくっつけてみるというやり方です。
その結果、新しいことや難しいことができるようになります。
- 情熱が高まり、アイデアを実現するモチベーションやパワーになる。
- 視野が広がり、新しい可能性やインスピレーションが見つかる。
- 知識が深まり、アイデアの質や信頼性が高まる。
第２章：創造的な脳――「ブレインストーミング」で最高のアイデアは生まれない
本章では、ブレインストーミングという一般的なアイデア創出の方法について、その効果や限界を検証しています。
ブレインストーミングとは、みんなで自由にアイデアを出し合って、できるだけたくさんのアイデアを生み出す手法です。
この手法は、人の創造プロセスを大きく2つに分けられます。
アイデアを広げる「発散的思考」と、絞り込む「収束的思考」です。
発散的思考では、洞察や新しいアイデアを広げるために考えを広げ、収束的思考ではアイデアを洗練させて考えを絞り込んでいきます。
ブレインストーミングは、発散的思考を促進すると考えられていますが、実際にはそうではないことが研究で示されています。
- グループ内での社会的な影響や評価が、個人の発想を制限する。
- グループ内での発言のタイミングや順番が、個人の発想に影響を与える。
- グループ内での発言の内容や質が、個人の発想に影響を与える。
- グループ内での発言の量や貢献度が、個人の発想に影響を与える。
発言力のある人が仕切って、おとなしい人が意見を出せなくなることってありますよね。
これらの問題を解決するために、本書では、ブレインストーミングを改良した「ブレインライティング」という手法を紹介しています。
ブレインライティングとは、自分のアイデアを紙に書いて、みんなで交換しながら、他の人のアイデアからひらめきをもらって、新しいアイデアを増やしていく手法です。
- 人の目や声に気にしなくていい。
- みんなが同じタイミングで考えられる。
- 他の人の考えからひらめきをもらえる。
- 自分の考えに責任を持てる。
この、ブレインライティングの技法の一部を、シンクビガーを実践する際に用います。
第３章：ステップ１ 課題を選ぶ――あなたの解決したい課題は何か？
本章では、「課題の選び方」について解説しています。
課題とは、自分が解決したいと思う問題や目標のことです。
- 関心や情熱が持てる課題を選ぶ：課題解決のモチベーションやパワーが高まる。
- 能力や資源の範囲内で選ぶ：能力や資源が不足している場合は、課題を小さくするか、協力者を探すか、能力や資源を増やすかの対策を行う。
- 課題を明確に定義する：課題が曖昧だと、解決策が見つけにくい。
課題を定義するときには、誰が・いつ・どこで・何を・どうしたいのかを具体的に記述しましょう。
第４章：ステップ２ 課題を分解する――あなたの課題を構成する「サブ課題」は何か？
本章では、「課題の分け方」について解説しています
課題の分け方は、自分が選んだ課題を、より小さく具体的な「サブ課題」に分けます。
- 課題の全体像や構造が把握しやすくなる。課題の本質や優先順位を見極められる。
- 課題の難易度や規模を下げられる。課題解決のモチベーションやパワーを高められる。
- 解決策が見つけやすくなる。課題解決の効率や効果を高められます。
一度に全部解決しようとせず、部分的に少しずつ解決していきましょう。
第５章：ステップ３ 望みを比較する――おもな意思決定者は何を求め、望んでいるか？
本章では、「望みの比較」について解説しています。
望みの比較とは、自分が選んだ課題に関係する「意思決定者」のニーズや希望を調べ、整理して、優先順位をつけることです。
意思決定者とは、課題の解決に影響を与える人や組織のことで、例えば自分自身、顧客、上司、同僚、家族、友人、社会などが該当します。
- 課題の解決に必要な条件や制約を明らかにできる。課題の本質や優先順位を見極められる。
- 課題の解決に有効な戦略や手段を見つけられる。課題解決の効率や効果を高められる。
- 課題の解決に関係する人や組織との関係を改善できる。課題解決の協力や支持が得られる。
第６章：ステップ４ 箱の中と外を探す――「別領域」で過去にうまくいった解決策は何か？
本章では、「箱の中と外を探す」について解説しています。
箱の中と外を探すとは、自分が取り組む課題に関連する「領域」や「別領域」で、以前に成功した解決方法を見つけることです。
領域とは、課題が属する分野やカテゴリーのことです。
別領域とは、課題が属する領域とは異なる分野やカテゴリーのことで、例えば教育の課題に対して、医療や芸術の解決策を参考にする場合が該当します。
- 課題の解決に必要な知識や情報を得られる。課題の本質や優先順位を見極められる。
- 課題の解決に有効なインスピレーションやアイデアを得られる。課題解決の効率や効果を高められる。
- 課題の解決に関係する人や組織との関係を拡大できる。課題解決の協力や支持を得られる。
先に成功している人のマネをしましょう。
第７章：ステップ５ 選択マップ――戦術の「組み合わせ」を何度も試そう
本章では、「選択マップ」について解説しています。
選択マップとは、自分が選んだ課題に関係する「戦術」の組み合わせを何度も試すことです。
思考錯誤やトライアンドエラーとも言います。
戦術とは、課題の解決に役立つ具体的な行動や手段のことで、例えばアンケートをとる、モデルを作る、シミュレーションをする、実験をするなどが該当します。
- 課題の解決に必要な戦術を見つけられる。課題の本質や優先順位を見極められる。
- 課題の解決に有効な戦術の組み合わせを見つけられる。課題解決の効率や効果を高められる。
- 課題の解決に関係する人や組織との関係を調整できる。課題解決の協力や支持を得られる。
第８章：ステップ６ 第三の眼――あなたが見ているものは他人にも見えるだろうか？
本章では、「第三者の眼」について解説しています。
「第三者の眼」とは、自分が取り組む問題について、さまざまな視点から考え、整理し、評価することです。
視点とは、課題に対する見方や考え方のことです。
例えば自分自身、顧客、上司、同僚、家族、友人、社会などが該当します。
- 課題の解決に必要なフィードバックやアドバイスが得られる。課題の本質や優先順位を見極められる。
- 課題の解決に有効な改善や修正を行える。課題解決の効率や効果を高められる。
- 課題の解決に関係する人や組織との関係を強化できる。課題解決の協力や支持が得られる。
人の意見は素直に聞きましょう。
Think Bigger 最高の発想を生む方法：まとめ
- ステップ１：問題を選ぶ、自分の興味やスキルで定義できる具体的な目標を見つける。
- ステップ２：問題を分解する、選んだ問題を小さなサブ問題に分け、全体の構造を理解する。
- ステップ３：望みを調べる、関係者のニーズや期待を調査し、整理して優先順位をつける。
- ステップ４：経験から学ぶ、過去の成功例を同じ問題領域や他の分野から探す。
- ステップ５：選択肢を試す、問題に対する戦術を組み合わせて実際に試してみる。
- ステップ６：多角的に分析する、問題に関する異なる視点を分析して評価する。
本書では、課題を実践するためのワークシートが用意されているから、実際に自分の課題を書き出すことができます。
あとは実践あるのみ！
本記事の内容は、youtubeでも視聴することができます。
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