今回は、日経累進高配当株指数(しっかりインカム)について、その構成銘柄のなかからオススメの高配当株を紹介します。
さらに、その高配当株だけでポートフォリオも作成しました。
- 日経累進高配当株指数(しっかりインカム)とは
- 指数を構成するオススメ高配当株7選
- ポートフォリオ作成例
この動画を観れば、安定的に配当を得るポートフォリオをつくることができるでしょう。
第1話:日経累進高配当株指数(しっかりインカム)とは
日経累進高配当株指数(しっかりインカム)は、日本経済新聞社が算出・公表する株価指数です。
この指数は、国内上場株式の中から、累進的な配当を続ける(減配せず、増配か配当維持を続ける)銘柄を選び、その中で予想配当利回りが高い銘柄を時価総額ウエート方式で構成しています。
- 累進配当:減配せず、増配または配当維持を10年以上続ける銘柄が対象。
- 高配当利回り:予想配当利回りが高い銘柄が対象。
- 銘柄数:30銘柄で構成。
- 年1回の銘柄入れ替え:毎年6月に銘柄の見直し。
この指数は、安定した配当収入を求める投資家にとって魅力的な選択肢となるでしょう。
しかし、この指数に連動する投資信託やETFは、現状は存在しないため、現状は自作のポートフォリオを作るしかありません。
第2話:指数を構成するオススメ高配当株7選
構成銘柄は、『日経平均プロフィル』の『指数一覧』-『日経累進高配当株指数(愛称:しっかりインカム)』から銘柄一覧を参照することができます。
銘柄の一覧はこのとおり。
累進配当を続けている銘柄ばかりなので、無配・減配のリスクが低いですね。
- 日経累進高配当株指数の構成銘柄。
- 売上高・EPSが右肩上がり。
- 10年以上累進配当を続けている(来期予想も含む)。
- 利回り3%以上。
- 来期予想で増配している。
- 2020年からの増配率が2倍以上。
ただし、情報は古くなっている可能性があります。
最終的な確認や売買判断は、ご自身で行ってください。
(8252)丸井グループ
丸井グループは、主に小売事業とフィンテック事業を展開している日本の企業です。
特に、自社での販売から賃貸への移行が特徴的で、自社の『エポスカード』による割賦販売と手数料収入が事業の柱となっています。
丸井グループは、累進配当を宣言しています。
具体的には、株主資本配当率(DOE)を導入し、長期安定的な増配を目指しています。
配当金は1株当たり106円で、利回りは約4.39%です。
配当性向は約77.3%で、12年連続増配を続けています。
2020年からの増配率は、2.12倍です。
売上収益は減少傾向ですが、EPSは右肩上がりとなっています。
株価チャートは三角持ち合いとなっています。
平均はPER20.82倍で、2025年の予想EPS141.07円から計算すると、適正価格は約2,937円と、現状は割安水準にあります。
権利確定月は3月と9月です。
(2317)システナ
システナは、主にソフトウェア開発支援を行う企業です。
最近では、端末向けから車載向けなどへのシフトを加速させており、運用・保守サービスも提供しています。
システナは累進配当を宣言していませんが、配当政策として、『安定配当の継続をベースとした上で、経営成績に応じた利益配分を行う』ことを基本方針としています。
具体的には、連結配当性向40%以上を目標に、積極的に配当を実施しています。
配当金は1株当たり12円で、利回りは約3.40%です。
配当性向は約53.6%で、4年連続増配を続けています。
2020年からの増配率は、2.40倍です。
売上高とEPSは右肩上がりとなっています。
株価チャートは、2021年をピークに下落していましたが、直近では値を上げてきています。
平均はPER25.91倍で、2025年の予想EPS17.5円から計算すると、適正価格は約453円と、現状は割安水準にあります。
権利確定月は3月と9月です。
(1802)大林組
大林組は、日本の最大手ゼネコンの一角を占める企業です。
関西地方に発祥し、首都圏でも多くの大型建築や土木プロジェクトを手掛けてきました。
大林組は累進配当を宣言していませんが、配当政策を発表しています。
大林組の中計2022では、自己資本配当率(DOE)3%を目安に長期安定配当を維持しつつ、成長投資による企業価値向上を目指しています。
経営環境の変化に対応し、配当拡充や自社株買いなどの資本政策も検討しています。
配当金は1株当たり80円で、利回りは約4.04%です。
配当性向は約71.6%で、3年連続増配を続けています。
2020年からの増配率は2.50倍です。
売上高は右肩上がりですが、EPSはやや停滞しています。
株価チャートは、2020年以降は右肩上がりとなっています。
平均はPER12.60倍で、2025年の予想EPS121.34円から計算すると、適正価格は約1,528円と、現状は割高水準にあります。
権利確定月は3月と9月です。
(8725)MS&ADインシュアランスグループHD
MS&ADインシュアランスグループHDは、日本を代表する保険持株会社の一つで、特に損害保険市場において首位級の地位を占めています。
アジアを中心に事業を展開しているほか、欧米市場への拡大も進めています。
MS&ADインシュアランスグループHDは、配当政策として『1株あたりの配当水準の安定性を維持しつつ、グループ修正利益の50%を目処に配当と自己株式の取得により株主還元を行う方針』を掲げています。
配当金は1株当たり145円で、利回りは約3.92%です。
配当性向は約38.8%で、12年連続増配を続けています。
2020年からの増配率は、2.90倍です。
正味収入保険料とEPSは右肩上がりとなっています。
株価チャートは右肩上がりとなっています。
平均はPER11.49倍で、2025年の予想EPS384.7円から計算すると、適正価格は約4,420円と、現状は割安水準にあります。
権利確定月は3月と9月です。
(7226)極東開発
極東開発工業は、特装車の総合メーカーとして業界首位を誇ります。
同社はトレーラーやコンクリートポンプ車などの製造に強みを持ち、リサイクルセンターを含む環境事業も展開しています。
極東開発工業は累進配当を宣言していませんが、株主還元の強化に継続的に取り組んでいます。
1株当たりの下限を54円とし、総還元性向100%を達成するために増配を発表しています。
配当金は1株当たり116円で、利回りは約4.52%です。
配当性向は約95.1%で、2年連続増配を続けています。
2020年からの増配率は、2.90倍です。
売上高は右肩上がりですが、EPSは停滞しています。
株価チャートは2020年以降は右肩上がりとなっています。
平均はPER12.75倍で、2025年の予想EPS114.78円から計算すると、適正価格は約1,463円と、現状は割高水準にあります。
権利確定月は3月と9月です。
(9066)日新
日新株式会社は、国際物流の大手企業で、自動車・危険品、食料物流に特化しています。
日本・アメリカ・中国・アジア・ヨーロッパの5つの地域で事業を展開しており、物流事業に加えて旅行業も営んでいます。
日新株式会社は、累進配当を発表しており、株主還元の方針として安定配当の継続を基本としています。
また、株主資本配当率(DOE)を4.0%以上とすることを目標に掲げています。
配当金は1株当たり200円で、利回りは約4.38%です。
配当性向は約24.4%で、4年連続増配を続けています。
2020年からの増配率は、3.57倍です。
売上高は横ばいですが、EPSは右肩上がりとなっています。
株価チャートは2020年以降は右肩上がりとなっています。
平均はPER14.08倍で、2025年の予想EPS544.96円から計算すると、適正価格は約7,673円で、現状は割安水準にあります。
権利確定月は3月と9月です。
(3431)宮地エンジニアリンググループ
宮地エンジニアリンググループは、宮地鉄工所と宮地建設工業が統合して設立された企業です。
主に橋梁や建築の施工に強みを持ち、旧三菱重工系のエンジニアリング会社を傘下に持っています。
宮地エンジニアリンググループは累進配当を宣言していませんが、配当政策を発表しています。
具体的には、配当性向30%以上を目安とし、1株あたりの配当額140円の継続的な維持・拡大を目標としています。
配当金は1株当たり195円で、利回りは約3.96%です。
配当性向は約60.0%で、2年連続増配を続けています。
2020年からの増配率は、4.87倍です。
売上高とEPSは右肩上がりとなっています。
株価チャートは右肩上がりとなっています。
平均はPER10.15倍で、2025年の予想EPS323.3円から計算すると、適正価格は約3,281円と、現状は割高水準にあります。
権利確定月は3月と9月です。
第3話:ポートフォリオの作成例
ここでは、第2話で厳選した7銘柄でポートフォリオを作成した例を紹介します。
- 第2話で紹介した7銘柄
- 新NISAの成長投資枠で年間非課税枠の最大240万円分を投資した場合を想定
- 各銘柄に均等に投資する
- 単元未満でも購入する
- 価格と利回りは、2024年7月12日時点で計算
結果、現時点の配当金は年間98,073円、平均利回りは4.09%になりました。
新NISAなら非課税で受け取れるので、この額面がそのまま利益になります。
日経累進高配当株指数:まとめ
投資信託と個別株のパフォーマンスをまとめます。
証券コード | 銘柄名 | 配当利回り (%) | 増配率 (2020年~) (倍) |
8252 | 丸井グループ | 4.39% | 2.12 |
2317 | システナ | 3.40% | 2.40 |
1802 | 大林組 | 4.04% | 2.50 |
8725 | MS&ADインシュアランスグループHD | 3.92% | 2.90 |
7226 | 極東開発 | 4.52% | 2.90 |
9066 | 日新 | 4.38% | 3.57 |
3431 | 宮地エンジニアリンググループ | 3.96% | 4.87 |
以上、指数の構成銘柄を確認すると、業績が思わしくなかったり、利回りの低い銘柄も多数含まれています。
良い銘柄をしっかりと見極めて自分に合ったポートフォリオを作りましょう。
本記事の内容は、youtubeでも視聴することができます。
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