今回は、児玉一希さんの『高配当10倍株投資「高利回り×高成長」で資産を4倍速で増やす!』について解説します。
著者の児玉一希さんは、金融教育事業を展開する株式会社RESの代表取締役です。
YouTubeチャンネル『Trade Labo』を運営しており、高配当株や増配株に関する情報を発信しています。
児玉さんの投資スタイルは、高配当株かつ成長株を通して、中長期的にリターンを得るスタイルで、再現性と継続性を重視しており、本書でもこの方法を提案しています。
初心者でもマネしやすそうですね。
- 高配当10倍株に長期投資するメリット。
- 高配当10倍株投資の注意点。
- 失敗しない高配当10倍株の選び方。
- 高配当10倍株のスクリーニング方法。
- オススメの高配当10倍株厳選4銘柄。
この記事を読めば、高配当株かつ成長株の銘柄を探せるようになり、配当を受け取りながら、将来的にはキャピタルゲインも狙えるでしょう。
第1話:高配当10倍株に長期投資するメリット
まず、高配当10倍株に長期投資するメリットは、このとおりです。
メリット1.再現性が高い
長期投資は、短期的な需給に左右されず、経済成長の恩恵を受けることができます。
参加し続けてさえいれば、プラスサムゲームになる可能性が高いのです。
プラスサムゲームとは、参加者全員の利得の合計がプラスになる状況を指します。
メリット2.配当で毎年一定の利益を確定できる
また、配当金は、権利付最終売買日に銘柄を保有していれば、必ず受け取ることができるので、再現性は100%です。
投資初心者でも資産を増やしやすそうですね。
さらに、その配当金を再投資すれば、複利の効果が得られます。
複利は長期投資を行うことで、その効果を最大限に発揮させることができます。
雪だるま式に増えていくわね。
メリット3.テンバガー(10倍株)を狙える
長期投資をしていると、その間に企業の成長に合わせ、株価がダブルバガー(2倍株)やトリプルバガー(3倍株)、さらにテンバガー(10倍株)以上に増えることもあります。
日本の高配当株のなかでも、長期的にテンバガーになった銘柄はたくさんあります。
たとえば、証券コード(8002)丸紅があります。
丸紅は、2009年から2024年の約15年間で、300円から3,000円にまで株価が上昇しました。
同時に増配も続いており、2009年には10円だった配当が、2025年予想では90円と9倍に増えています。
このように、成長を続ける高配当株への長期投資は、インカムゲインを受け取り続けながら、大きなキャピタルゲインも狙えるのです。
テンバガーは、デイトレやスイングでは不可能です。
第2話:高配当10倍株投資の注意点
高配当10倍株の長期投資について、きちんとメリットを受けるためには、いくつか注意しておかなければいけないことがあります。
注意点1.銘柄選定が大事
高配当10倍株投資の大前提は、投資した銘柄が成長『し続ける』ことです。
株価が上がるのは企業の業績が良いからですし、配当は企業の利益から出ます。
売り上げが落ちれば株価も落ちますし、配当も出せなくなるかもしれません。
成長無くして分配無しというわけですね。
注意点2.長期投資は振れ幅が大きい
たとえば、証券コード(2928)RIZAPグループのように、短期的で大化けする銘柄もありますが、こういった銘柄は、その後失速しがちです。
株価があまりにも急騰すると、その銘柄の上昇ポテンシャルが一気に消耗し、持続的な上昇が難しくなるのです。
デイトレだと1日の動きに限定されるからせいぜい1から5%程度だけど、長期投資の場合、結果的に2倍になることもあるし、半分になることもあります。
ここでも大事なのは、成長『し続ける』という継続性です。
注意点3.連続増配していても業績の悪い企業がある
たとえば、証券コード(2914)JTは、高配当株で17連続増配をしている企業でしたが、2020年に連続増配の記録がストップし、2021年には減配までしてしまいました。
この時期のJTは業績が伸びず、収益もEPSも落ち込んでいました。
株価も2016年ごろをピークにずっと下落していました。
JTの場合、減配によって悪材料出尽くしとなり、その後増配や株価の上昇につながりましたが、業績が回復しなければ、そのまま下落していった可能性もあります。
このように、連続増配していても、業績の悪化に伴い、減配や無配に転じるリスクが存在します。
高配当株投資にとって、減配や無配は最も避けなければならないリスクなのです。
減配・無配リスクを避けるためには、やはり成長『し続ける』という継続性が重要になるわけですね。
第3話:失敗しない高配当10倍株の選び方
結論から述べると、稼ぎ続けている企業を選びましょう。
稼ぎ続けている=成長『し続けている』わけです。
稼ぎ続けているかは、業績の推移などを確認する必要がありますので、『IR BANK』を活用しましょう。
(7164)全国保証を参考に、確認するポイントを解説します。
確認ポイント1.売上とEPSの増加が続いているか
売上は、企業業績を確認する上で、最も重要な指標です。
企業の利益も、配当の原資も、元を辿れば売上があるからこそだからです。
また、EPSは、一株当たりの純利益のことで、EPSが大きいほど、その企業は一株当たりの利益を多く生み出していることになります。
この、売上とEPSが毎年増えていれば、成長し続けている企業と言えます。
確認ポイント2.利益率・キャッシュフローが改善しているか
稼ぎ続けられている企業かどうかは、売上高の営業利益率と、営業キャッシュフローを確認しましょう。
営業利益率は、10%以上あれば合格、20%以上あれば上出来です。
さらに、営業キャッシュフローが高ければ、それだけ本業で現金を稼げているということになります。
キャッシュを潤沢に持っていれば、危機に強く、一時的に利益が変動しても配当を出し続けやすいです。
確認ポイント3.配当性向が適正か
配当性向は、企業が稼いだ利益のうち、株主に配当として還元される割合を示す指標です。
この配当性向は、高すぎると増配の余地が少なくなり、減配のリスクが高まります。
逆に低すぎる企業は、株主還元に消極的であると言えます。
適正な配当性向の目安は、30~65%程度になります。
確認ポイント4.長期チャートで下値が切り上がっているか
下値を切り上げるということは、業績が悪い時でも売られず、以前よりも高い値段で買われていることになります。
稼ぎ続けている企業であれば、なおさら評価され、底堅い値動きをしているはずです。
そこで長期チャートを見て、上昇トレンドに入りつつある銘柄かどうかを確認しましょう。
逆張りではなく、トレンドフォローするのです。
チャートの長さはどれくらいが適当でしょうか?
2020年以降、5年くらいのチャートで確認すれば良いでしょう。
新型感染症の流行以降で、株式市場のトレンドも大きく変っています。
その他、従業員数が右肩上がりで増えていたり、設備投資が増えている企業は、将来への種まきをしっかり行っており、業績が伸び続けていく可能性が高いと言えます。
第4話:高配当10倍株のスクリーニング方法
すべての銘柄をチェックするのは現実的ではないので、スクリーニングを行いましょう。
本書では、マネックス証券の銘柄スカウターを用いたスクリーニング方法が解説されています。
UP主はマネックス証券では口座を開いていないため、ここでは画面をお見せすることができません。ごめんなさい。
銘柄スカウターでの絞り込み条件は、ある程度ご自身の好みに合わせて調節してください。
- 時価総額500億円以上。
- 自己資本比率40%以上。
- 売上高・営業利益の成長率3~5%。
- 配当性向30%未満。
さらに、必須ではありませんが、ステップ5として、PERが過去と比べて高すぎないかどうかも確認しましょう。
高値掴みを避けられますね。
業績が良い銘柄であれば、すぐには買わず、監視銘柄に入れておくと良いです。
第5話:オススメの高配当10倍株厳選4銘柄
ここでは、児玉さんオススメの9銘柄のなかから、さらにUP主が厳選した4銘柄を紹介します。
ただし、情報は古くなっている可能性があります。
最終的な確認や売買判断は、ご自身で行ってください。
また、残りの5銘柄を知りたい人は、ぜひ本書をご覧ください。
(3003)ヒューリック
ヒューリックは、不動産関連の事業を中心に展開している企業です。
旧富士銀行の銀行店舗ビル管理からスタートし、都区内の駅近接ビルを中心に、好物件を所有しており、物件多角化を進めています。
時価総額は約1兆1,588億円。
自己資本比率は約30.8%。
営業収益とEPSは右肩上がり。
配当金は1株当たり52円で、利回りは約3.45%です。
配当性向は約40.2%で、12年連続増配を続けています。
PERは11.7倍と、平年並みとなっています。
株価チャートは右肩上がりとなっています。
権利確定月は6月と12月です。
(7846)パイロットコーポレーション
パイロットコーポレーションは、筆記具業界で首位を占める企業です。
主力製品はボールペンであり、万年筆やその他の文具も取り扱っています。
特に海外市場における売上比率が高く、欧米などでの現地生産にも積極的に取り組んでいます。
時価総額は約1,816億円。
自己資本比率は約78.3%。
売上高は右肩上がりで、EPSは横ばい。
配当金は1株当たり106円で、利回りは約2.44%です。
配当性向は約28.9%で、10年連続増配を続けています。
PERは12.20倍と、平年並みとなっています。
株価チャートは横ばいとなっています。
権利確定月は6月と12月です。
(8001)伊藤忠商事
伊藤忠商事は、非財閥系でありながら日本の総合商社大手の一角を占めています。
特に繊維、食料品、中国市場において強みを持ち、ファミリーマートなどの有力企業を傘下に収めています。
時価総額は約11兆5,063億円。
株主資本比率は約37.5%。
収益とEPSは右肩上がり。
配当金は1株当たり200円で、利回りは約2.75%です。
配当性向は約28.9%で、10年連続増配を続けています。
PERは11.90倍と、平年より割高となっています。
株価チャートは右肩上がりとなっています。
権利確定月は3月と9月です。
(9433)KDDI
KDDIは、携帯電話や光回線などの通信サービスを提供する日本の大手企業です。
非通信分野への拡大を図り、ライフデザイン企業への転換を模索しています。
時価総額は約9兆8,500億円。
自己資本比率は約37.1%。
収益とEPSは右肩上がり。
配当金は1株当たり145円で、利回りは約3.36%です。
配当性向は約46.5%で、11年連続増配を続けています。
PERは13.00倍と、平年より割高となっています。
株価チャートは右肩上がり。
権利確定月は3月と9月です。
高配当10倍株投資:まとめ
本書の要点を列挙します。
- 高配当10倍株への長期投資は、再現性と継続性が高い。
- 成長し続ける銘柄を選ぶ。
- 成長し続けるかどうかは、業績などの推移を確認する。
- 各証券会社が用意しているスクリーニング機能で絞り込む。
以上、業績の良い高配当株を長期保有すれば、いずれ10倍株に育ってくれるでしょう。
増配も続いていれば、利回り10%超も夢ではありません。
本書では、ファンダメンタル分析だけでなく、売買タイミングなどのテクニカルも解説しています。
できるだけ安いタイミングで仕込みたいですね。
本記事の内容は、youtubeでも視聴することができます。
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