今回は、EPSの連続増加を記録している銘柄から、オススメの高配当株を紹介します。
- なぜEPSの連続増加に注目するのか
- EPS連続増加の高配当株13選

この記事を読めば、株価の上昇や増配が期待できる高配当株を見つけることができるでしょう。
第1話:なぜEPSの連続増加に注目するのか
まず、EPSとは1株当たりの利益のことで、企業が発行している株式1株あたりに対し、どれだけの利益を上げているかを示す、企業の収益性を評価するための重要な指標です。
EPS=当期純利益/発行済株式総数
たとえば、企業の当期純利益が1億円で、発行済株式総数が100万株の場合、EPSは100円となります。
さらにEPSは、株価と密接な関係にあり、このような式で計算することができます。
株価=EPS×PER

PERは、株価収益率のことで、企業の株価がその企業の収益に対してどれだけ評価されているかを示す指標ですね。
たとえば、EPSが100円でPERが10倍の企業の場合、株価は1,000円となります。
EPSが高い企業は、1株あたりの利益が多いことを示しており、一般的に株価も高くなる傾向があります。
このとき、EPSの成長率が重要で、EPSが継続的に成長している企業は、将来的に株価が上昇する可能性が高いと考えられます。

単年度だけではなく、継続性を重視しないといけません。
さらに、株価だけでなく、EPSが増加すると、企業はより多くの利益を得ているため、配当金を増やす余地が生まれます。
配当性向(利益のうち配当に回す割合)が一定であれば、EPSの増加に伴い1株当たりの配当金も増加することが一般的です。
EPSが増加することで、企業は配当性向を維持または引き上げることが可能になるのです。

要するに、増配が期待できるわけですね。
第2話:EPS連続増加の高配当株13選
- EPS(1株利益)が5期以上連続増加している。
- 来期予想の売上高・営業益・経常利益・最終益・EPS(1株利益)がすべて過去最高を更新。
- 利益剰余金(配当の原資となる内部留保)が右肩上がりに積み上がっている。
- 配当性向が100%を超えていない。
- 利回り3%以上。
- 10年以上無配・減配無し。
EPSの連続増加記録は、『株探』の『銘柄検索』から『「1株利益」連続増加ランキング』を参照しました。
EPSの直近の連続増加期数が3期以上続いている銘柄を抽出できます。

結果、該当する銘柄は610ありました。
さらに、5期以上連続となると、177銘柄に絞られます。
ここからさらに、2~6の条件を加えて絞った高配当株を、13銘柄紹介します。

ただし、情報は古くなっている可能性があります。
最終的な確認や売買判断は、ご自身で行ってください。
(2335)キューブシステム
キューブシステムは、主に金融・流通・通信業界向けのシステム構築を手掛ける企業です。
特にプロジェクト管理能力に定評があり、システムインテグレーションサービスを中心に提供しています。
EPSは5期連続増加。
売上高や利益もすべて過去最高予想となっています。

10年株価チャートはおよそ右肩上がり。
平均PERは17.15倍で、2025年の予想EPS72.6円から計算すると、適正価格は約1,245円になります。

配当金は1株当たり40円で、利回りは約3.40%です。
配当性向は約49.7%で、利益剰余金も積み上がっているので、増配の余地があります。
増配は6年連続になります。
2024年に減配しているように見えますが、これは2023年に記念配24円があったためです。


権利確定月は3月と9月です。

(6432)竹内製作所
竹内製作所は、建設機械の中堅企業で、特にミニショベルの製造が主力となっています。
また、クローラーローダーの開発において世界初を達成し、その製品は海外市場で高いシェアを獲得しています。
EPSは5期連続増加。
売上高や利益もすべて過去最高予想となっています。

10年株価チャートはおよそ右肩上がり。
平均PERは12.10倍で、2025年の予想EPS576.9円から計算すると、適正価格は約6,980円になります。

配当金は1株当たり200円で、利回りは約3.41%です。
配当性向は約28.8%で、利益剰余金も積み上がっているので、増配の余地があります。
増配は13年連続になります。


権利確定月は2月のみの一括配当です。

(7994)オカムラ
オカムラは、オフィス家具業界でトップクラスの企業であり、コクヨと並ぶ存在です。
オフィス家具だけでなく、小売店舗用の什器(ショーケースや棚など)も手掛けています。
EPSは5期連続増加。
売上高や利益もすべて過去最高予想となっています。

10年株価チャートはおよそ右肩上がり。
平均PERは12.45倍で、2025年の予想EPS221.9円から計算すると、適正価格は約2,762円になります。

配当金は1株当たり90円で、利回りは約4.01%です。
配当性向は約40.1%で、利益剰余金も積み上がっているので、増配の余地があります。
増配は4年連続になります。


権利確定月は3月と9月です。

(1952)新日本空調
新日本空調株式会社は、三井グループに属する空調設備工事会社で、原子力施設空調も手掛けています。
微粒子可視化システムなど、独自の技術も開発・展開しています。
EPSは6期連続増加。
売上高や利益もすべて過去最高予想となっています。

10年株価チャートは、およそ右肩上がり。
平均PERは12.42倍で、2025年の予想EPS350.2円から計算すると、適正価格は約4,349円になります。

配当金は1株当たり120円で、利回りは約3.05%です。
配当性向は約32.2%で、利益剰余金も積み上がっているので、増配の余地があります。
増配は4年連続になります。


権利確定月は3月と9月です。

(4345)CTS
CTSは、建設ICTの専門企業として、現場向けのITインフラや測量計測機器などを提供することで全国展開しています。
EPSは6期連続増加。
売上高や利益もすべて過去最高予想となっています。

10年株価チャートは横ばい。
平均PERは21.37倍で、2025年の予想EPS47.2円から計算すると、適正価格は約1,008円になります。

配当金は1株当たり25円で、利回りは約3.09%です。
配当性向は約51.3%で、利益剰余金も積み上がっているので、増配の余地があります。
増配は12年連続になります。


権利確定月は3月と9月です。

(4430)東海ソフト
東海ソフトは、名古屋に本社を置く独立系のソフトウェア開発会社で、IoT関連、組み込み、金融・公共の3つが事業の柱です。
EPSは7期連続増加。
売上高や利益もすべて過去最高予想となっています。

2019年上場以来の株価チャートは横ばい。
平均PERは14.21倍で、2025年の予想EPS142.5円から計算すると、適正価格は約2,024円になります。

配当金は1株当たり45円で、利回りは約3.36%です。
配当性向は約22.9%で、利益剰余金も積み上がっているので、増配の余地があります。
増配は3年連続になります。


権利確定月は5月のみの一括配当です。

(7191)イントラスト
イントラストは、家賃債務保証を主力事業としています。
医療・介護費保証事業は、医療費や介護費用の支払いを保証することで、利用者の経済的負担を軽減しています。
不動産管理業務も手がけており、物件の管理や運営をサポートしています。
EPSは8期連続増加。
売上高や利益もすべて過去最高予想となっています。

2016年上場以来の株価チャートは横ばい。
平均PERは20.65倍で、2025年の予想EPS61.3円から計算すると、適正価格は約1,265円になります。

配当金は1株当たり25円で、利回りは約3.09%です。
配当性向は約32.8%で、利益剰余金も積み上がっているので、増配の余地があります。
増配は6年連続になります。


権利確定月は3月と9月です。

(2163)アルトナー
アルトナーは、技術者派遣の古参として知られています。
主に機械、電気・電子、ソフトウェアの設計開発を中心に事業を展開しており、人材紹介にも進出しています。
EPSは11期連続増加。
売上高や利益もすべて過去最高予想となっています。

10年株価チャートはおよそ右肩上がり。
平均PERは15.13倍で、2025年の予想EPS110.9円から計算すると、適正価格は約1,677円になります。

配当金は1株当たり80円で、利回りは約3.84%です。
配当性向は約75.8%で、利益剰余金も積み上がっているので、増配の余地があります。
増配は11年連続になります。


権利確定月は1月と7月です。

(9037)ハマキョウレックス
ハマキョウレックスは、独立系の物流一括受託(3PL)大手で、貨物運送は路線トラックを軸に展開しています。
EPSは11期連続増加。
売上高や利益もすべて過去最高予想となっています。

10年株価チャートはおよそ右肩上がり。
PERは8.97倍で、2025年の予想EPS459.1円から計算すると、適正価格は約4,118円になります。

配当金は1株当たり35円で、利回りは約3.04%です。
配当性向は約27.1%で、利益剰余金も積み上がっているので、増配の余地があります。
増配は19年連続になります。


権利確定月は3月と9月です。

(7164)全国保証
全国保証は、住宅ローン保証業界の中でも最大手であり、独立系の企業です。
主な事業は信用保証であり、これは住宅ローンの保証を提供することを意味します。
EPSは12期連続増加。
売上高や利益もすべて過去最高予想となっています。

10年株価チャートはおよそ右肩上がり。
平均PERは13.92倍で、2025年の予想EPS438.3円から計算すると、適正価格は約6,101円になります。

配当金は1株当たり197円で、利回りは約3.28%です。
配当性向は約40.6%で、利益剰余金も積み上がっているので、増配の余地があります。
増配は13年連続になります。


権利確定月は3月のみの一括配当です。

(9436)沖縄セルラー電話
沖縄セルラー電話は、KDDIの傘下にある総合通信企業で、特に沖縄県においては携帯電話市場のシェアが約50%と圧倒的な地位を占めています。
固定通信サービスと組み合わせることで、顧客基盤の拡大を図っています。
EPSは12期連続増加。
売上高や利益もすべて過去最高予想となっています。

10年株価チャートはおよそ右肩上がり。
平均PERは12.71倍で、2025年の予想EPS254.7円から計算すると、適正価格は約3,237円になります。

配当金は1株当たり120円で、利回りは約3.01%です。
配当性向は約44.9%で、利益剰余金も積み上がっているので、増配の余地があります。
増配は23年連続になります。


権利確定月は3月と9月です。

(4752)昭和システムエンジニアリング
昭和システムエンジニアリングは、入力業務から受託計算、ソフトウェア開発まで一貫したサービスを提供する企業です。
特に証券や生損保向けのシステム構築に強みを持っています。
EPSは13期連続増加。
売上高や利益もすべて過去最高予想となっています。

10年株価チャートはおよそ右肩上がり。
平均PERは10.22倍で、2025年の予想EPS153.8円から計算すると、適正価格は約1,571円になります。

配当金は1株当たり50円で、利回りは約3.52%です。
配当性向は約33.1%で、利益剰余金も積み上がっているので、増配の余地があります。
増配傾向も続いています。
2017年に減配しているように見えますが、これは2016年に記念配5円があったためです。


権利確定月は3月のみの一括配当です。

(9799)旭情報サービス
旭情報サービスは、独立系情報サービス会社です。顧客企業のネットワークシステムの構築や運用において、技術者を派遣するサービスを提供しています。
EPSは15期連続増加。
売上高や利益もすべて過去最高予想となっています。

10年株価チャートはおよそ右肩上がり。
平均PERは12.78倍で、2025年の予想EPS138.6円から計算すると、適正価格は約1,771円になります。

配当金は1株当たり56円で、利回りは約3.36%です。
配当性向は約40.6%で、利益剰余金も積み上がっているので、増配の余地があります。
増配傾向も続いています。


権利確定月は3月と9月です。

EPS連続増加の高配当株:まとめ
- EPS(1株当たりの利益)は、投資家にとって重要な指標のひとつ。
- EPSの増加に伴い、株価も上昇する。
- EPSが増加すると、増配の余地が生まれる。
- 単年度だけでなく、継続的にEPSが増加していることが重要。
さらに、紹介した高配当株の利回りを列挙します。
証券コード | 銘柄名 | 配当利回り |
2335 | キューブシステム | 3.40% |
6432 | 竹内製作所 | 3.41% |
7994 | オカムラ | 4.01% |
1952 | 新日本空調 | 3.05% |
4345 | CTS | 3.09% |
4430 | 東海ソフト | 3.36% |
7191 | イントラスト | 3.09% |
2163 | アルトナー | 3.84% |
9037 | ハマキョウレックス | 3.04% |
7164 | 全国保証 | 3.28% |
9436 | 沖縄セルラー電話 | 3.01% |
4752 | 昭和システムエンジニアリング | 3.52% |
9799 | 旭情報サービス | 3.36% |
以上、EPSの増加は、高配当株投資にとって重要な指標となります。

毎年の予想は、ぜひチェックしましょう!

本記事の内容は、youtubeでも視聴することができます。
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