【日経平均高配当株50指数】投資信託 or ETF or 個別株【どれがお得?】

株式投資

 今回は、日経平均高配当株50指数について、投資信託とETFと個別株を比べ、どれで買うとお得かを検証しました。

 日経平均高配当株50指数は、日経平均株価の構成銘柄の中で配当利回りが高い上位50銘柄から構成される指数です。

 指数は配当利回りウェート方式に基づいており、高配当銘柄に焦点を当てています。

 構成銘柄は流動性(売買代金)を考慮して選ばれ、指数算出上のウェイトが決定されます。

 銘柄の見直しは年1回、6月末に行われます。

 この指数に連動するインデックスファンド(投資信託)やETFが存在し、投資家はこれらの金融商品を通じて日経平均高配当株50指数のパフォーマンスに投資することができます。

 具体的には、Tracers日経平均高配当株50インデックス(奇数月分配型)や、(1489)NEXT FUNDS日経平均高配当株50指数連動型上場投信がそれに該当します。

 また、指数の構成銘柄を調べ、そこから厳選した高配当株だけでポートフォリオも作成しました。

今回の話題
  • 【投資信託】Tracers日経平均高配当株50インデックス(奇数月分配型)
  • 【ETF】(1489)NEXT FUNDS日経平均高配当株50指数連動型上場投信
  • 指数を構成するオススメ高配当株8選
  • ポートフォリオ作成例
要約AI
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この記事を読めば、自分に合った買い方ができますし、個別で自作ポートフォリオを組むこともできるでしょう。

第1話:【投資信託】Tracers日経平均高配当株50インデックス(奇数月分配型)

 まず、Tracers日経平均高配当株50インデックス(奇数月分配型)は、設定日が2024年1月と日が浅く、まだ分配金が支払われていません。

Tracers日経平均高配当株50インデックス

 2024年9月以降の毎決算時に、分配金の支払いを目指すとのことなので、現状では分配金の利回りが不明です。

 また、決算頻度が年6回あり、いわゆるタコ足配当になるリスクがあります。

 タコ足配当とは、元本を取り崩して分配金を出す状態を差します。

 信託報酬は、年率0.10725%(税込)となっており、さらにその他諸費用も発生します。

しおり
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実績が浅く、リスクもリターンも不明点が多いので、現状は投資対象となりませんね。

第2話:【ETF】(1489)NEXT FUNDS日経平均高配当株50指数連動型上場投信

 次に、NEXT FUNDS日経平均高配当株50指数連動型上場投信は、日経平均高配当株50指数に連動するパフォーマンスを目指す上場投信(ETF)です。

 このETFは、配当利回りが高い日本の株式で構成されており、特に高配当を提供する企業に焦点を当てています。

投資信託とETFの違い
投資信託ETF
売買場所銀行や証券会社などの金融機関株式と同じ市場
価格決定のタイミング運用会社によって1日1回算出市場でリアルタイムに変動する
手数料・売買手数料
・信託報酬
・解約手数料
・信託財産留保額など
・委託手数料
・一般的に投資信託より低い
運用方法・アクティブファンド
・インデックスファンド
・主にインデックスファンド
・特定の指数に連動する
分配金の取扱い・分配型
・再投資型
費用を除いた全額を
投資家に直接分配される
投資信託とETFの違い
要約AI
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大きい違いとしては、市場で売買できるかどうかです。

 分配金は年4回、1月・4月・7月・10月の7日に支払われます。

NEXT FUNDS日経平均高配当株50指数連動型上場投信

 過去直近1年間の実績は68.24円。

 利回りにすると約2.77%

NEXT FUNDS日経平均高配当株50指数連動型上場投信

 運用管理費用(信託報酬)は、年0.308%(税抜年0.28%)以内で、信託財産の純資産総額に対する率を乗じて得た額です。

 さらにその他の費用として、ETFに関する租税・信託事務の処理に要する諸費用などがあり、これらは保有期間中に間接的に投資家が負担することになります。

 信託報酬を引いた最終的な利回りは約2.46%になります。

NEXT FUNDS日経平均高配当株50指数連動型上場投信
しおり
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高配当というには物足りない利回りですね。

第3話:指数を構成するオススメ高配当株8選

 利回りを上げたい場合は、やはり自作のポートフォリオを作るしかありません。

 そこで日経平均高配当株50指数の構成銘柄を調べることで、ポートフォリオ作りの参考にしましょう。

 日経平均高配当株50指数の構成銘柄は50あります。

 構成銘柄は、『日経平均プロフィル』の『指数一覧』-『日経平均高配当株50指数』から銘柄一覧を参照することができます。

日経平均プロフィル

 銘柄の一覧はこのとおり。

日経平均高配当株50指数の構成銘柄
日経平均高配当株50指数の構成銘柄
要約AI
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日本を代表する大型株ばかりです。

 今回は、このなかから厳選した高配当株を8銘柄紹介します。

今回の選定基準
  • 日経平均高配当株50指数の構成銘柄
  • 利回り3%以上
  • 売上・EPSが右肩上がり
  • 増配傾向にある
しおり
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ただし、情報は古くなっている可能性があります。

最終的な確認や売買判断は、ご自身で行ってください。

(1928)積水ハウス

 積水ハウスは、日本の大手ハウスメーカーで、戸建て住宅から賃貸住宅、マンションなど幅広い住宅展開を行っています。

 また、国内外で不動産開発も行っており、その事業領域は多岐にわたります。

 配当金は1株当たり129円で、利回りは約3.61%です。

 配当性向は約39.8%で、13年連続増配を続けています。

積水ハウス

 売上高とEPSは右肩上がり。

積水ハウス
積水ハウス

 株価チャートは右肩上がりとなっています。

 平均PER10.78倍で、2025年の予想EPS322.49円から計算すると、適正価格は約3,476円になります。

積水ハウス

 権利確定月は1月と7月です。

積水ハウス

(2914)JT

 JTは、たばこ事業を国内外で展開する世界大手企業で、加熱式たばこ『プルームX』も拡販しています。

 また、食品や医薬品事業も展開しており、多角化しています。

 配当金は1株当たり194円で、利回りは約4.38%です。

 配当性向は約71.4%で、2021年に減配があったものの、それ以外は増配を続けています。

JT

 収入は右肩上がりで、EPSは横ばいとなっています。

JT
JT

 株価チャートは、右肩上がりとなっています。

 平均PER14.83倍で、2024年の予想EPS256.29円と、計算すると、適正価格は約3,800円になります。

JT

 権利確定月は6月と12月です。

JT

(5108)ブリヂストン

 ブリヂストンは、タイヤ製造において世界首位級の地位を占めています。

 米国のタイヤメーカーであるファイアストンを買収するなど、積極的に海外展開を行っています。

 製品の販売だけでなく、タイヤの管理といったサービス型の事業にも力を入れています。

 配当金は1株当たり210円で、利回りは約3.32%です。

 配当性向は約48.1%で、4年連続増配を続けています。

ブリヂストン

 売上高とEPSは、波があるものの、右肩上がりとなっています。

ブリヂストン
ブリヂストン

 株価チャートは、右肩上がりとなっています。

 平均PER11.52倍で、2024年の予想EPS524.32円から計算すると、適正価格は約6,040円になります。

ブリヂストン

 権利確定月は6月と12月です。      

ブリヂストン

         

(7202)いすゞ自動車

 いすゞ自動車は、トラック製造を主力とする日本の大手企業です。

 特に中小型トラックの分野で強みを持ち、タイで生産されるピックアップトラックも事業の重要な柱の一つとなっています。

 2021年には、大型トラックに強いUDトラックスを傘下に収め、製品ラインナップを拡充しました。

 配当金は1株当たり92円で、利回りは約4.16%です。

 配当性向は約40.0%で、2021年に減配があったものの、それ以外は増配傾向を続けています。

いすゞ自動車

 売上高とEPSは、波があるものの右肩上がりとなっています。

いすゞ自動車
いすゞ自動車

 株価チャートは右肩上がりとなっています。

 平均PER12.71倍で、2025年の予想EPS221.57円から計算すると、適正価格は約2,816円になります。

いすゞ自動車

 権利確定月は3月と9月です。

いすゞ自動車

(8058)三菱商事

 三菱商事は、日本を代表する総合商社の一つで、三菱グループの中核企業です。

 その事業は原料炭などの資源から機械・食品・化学品など、多岐にわたります。

 配当金は1株当たり100円で、利回りは約2.99%です。

 配当性向は約30.4%で、9年連続増配を続けています。

三菱商事

 収益とEPSは、波があるものの右肩上がりとなっています。

三菱商事
三菱商事

 株価チャートは、2020年以降は右肩上がりとなっています。

 平均PER10.15倍で、2025年の予想EPS231.83円から計算すると、適正価格は約2,353円になります。

三菱商事

 権利確定月は3月と9月です。

三菱商事

(8309)三井住友トラストHD

 三井住友トラストHDは、金融業界で広範な事業を展開している企業です。

 信託財産の残高において、業界でトップの地位を占めています。

 配当金は1株当たり145円で、利回りは約3.85%です。

 配当性向は約40.6%で、4年連続増配を続けています。

三井住友トラスト

 経常収益とEPSは右肩上がり。

三井住友トラスト
三井住友トラスト

 株価チャートは右肩上がりとなっています。

 平均PERは約10.33倍で、2025年の予想EPS336.65円から計算すると、適正価格は約3,477円になります。

三井住友トラスト

 権利確定月は3月と9月です。

三井住友トラスト

(8725)MS&ADインシュアランスグループHD

 MS&ADインシュアランスグループHDは、日本を代表する保険持株会社の一つで、特に損害保険市場において首位級の地位を占めています。

 アジアを中心に事業を展開しているほか、欧米市場への拡大も進めています。

 配当金は1株当たり145円で、利回りは約3.79%です。

 配当性向は約38.8%で、12年連続増配を続けています。

MS&ADインシュアランスグループ

 正味収入保険料とEPSは右肩上がり。

MS&ADインシュアランスグループ
MS&ADインシュアランスグループ

 株価チャートは右肩上がりとなっています。

 平均PERは約11.51倍で、2025年のEPS384.7円から計算すると、適正価格は約4,427円になります。

MS&ADインシュアランスグループ

 権利確定月は3月と9月です。

MS&ADインシュアランスグループ

(9434)ソフトバンク

 ソフトバンクは、日本を代表する大手通信会社で、『ソフトバンク』および『ワイモバイル』のブランドで携帯電話サービスを展開しています。

 また、非通信分野の強化にも力を入れており、ヤフー・ZOZO・ペイペイなどの企業を傘下に持っています。

 配当金は1株当たり86円で、利回りは約4.29%です。

 配当性向は約83.4%です。

ソフトバンク
要約AI
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図では配当金が8.6円になっていますが、これは今年の10月1日に株式分割があるためです。

 2018年上場からの売上高は右肩上がりで、EPSは横ばい。

ソフトバンク
ソフトバンク

 株価チャートは右肩上がりとなっています。

 平均PERは約14.88倍で、2024年のEPS106.12円から計算すると、適正価格は約1,579円になります。

ソフトバンク

 権利確定月は3月と9月です。

ソフトバンク

第4話:ポートフォリオの作成例

 ここでは、第4話で厳選した8銘柄でポートフォリオを作成した例を紹介します。

ポートフォリオの一例の前提条件
  • 第3話で紹介した8銘柄。
  • 新NISAの成長投資枠で、年間非課税枠の最大240万円分を投資した場合を想定。
  • 各銘柄に均等に投資する。
  • 単元未満でも購入する。
  • 価格と利回りは、2024年7月2日時点で計算。

 結果、現時点の配当金は年間91,214円、平均利回りは3.80%になりました。

ポートフォリオの作成例
しおり
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新NISAなら非課税で受け取れるので、この額面がそのまま利益になります。

日経平均高配当株50指数:まとめ

 投資信託とETFと個別株のパフォーマンスをまとめます。

証券コード銘柄名利回り
投資信託Tracers日経平均高配当株50インデックス(奇数月分配型)
ETF1489NEXT FUNDS日経平均高配当株50指数連動型上場投信2.46%
個別株1928積水ハウス3.61%
個別株2914JT4.38%
個別株5108ブリヂストン3.32%
個別株7202いすゞ自動車4.16%
個別株8058三菱商事2.99%
個別株8309三井住友トラストHD3.85%
個別株8725MS&ADインシュアランスグループHD3.79%
個別株9434ソフトバンク4.29%
2024年7月2日時点

 以上、指数の構成銘柄を確認すると、業績が思わしくなかったり、利回りの低い銘柄も多数含まれています。

 自分でポートフォリオを組んだ方が利回りを上げられますし、業績の悪い銘柄も排除できます。

要約AI
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それでも、やはり個別株は難しそうと感じる人や、忙しくて分析する時間がない人は、現状は投資信託ではなく、ETFを選ぶと良いでしょう。

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この記事の内容は、youtubeでも視聴することができます。

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