今回は『【新NISA完全攻略】月5万円から始める「リアルすぎる」1億円の作り方』について解説します。
本書は、2024年から始まった新NISAという非課税投資制度を利用して、老後資産1億円を目指すための本です。
著者:山口貴大さんのプロフィール
著者の山口貴大さんは、金融・起業のマネースクール『Financial Free College』の代表です。
SNSでは「ライオン兄さん」の名義で活動していて、YouTubeやTikTokで米国株投資に関する動画を配信しています。
ライオン兄さんは、インデックス投資や高配当ETFなどの金融商品を使って、誰でもセルフ年金を作ることができると提唱しています。
また、金融知識だけでなく、起業やネットビジネスに関する情報も発信しています。
1億円の作り方:要約
本書では、新NISAの仕組みと活用法をわかりやすく説明するとともに、年齢や入金力に合わせてリスクとリターンを最適化した投資法やファンド選定術を紹介しています。
また、インデックス投資や米国債などのトピックスにも触れていて、初心者から中級者まで幅広い読者に役立つ内容となっています。
本書を読めば、新NISAの仕組みと活用法を理解し、自分に合った投資法や商品を選んで儲けることができるでしょう。
キャッチコピーをつけるなら『世界一わかりやすい!新NISAで儲ける方法!!』です。
- 新NISAを利用して老後資金1億円を目指す方法。
- 新NISAの億り人戦略。
- 成長投資枠でのファンド選定方法。
- 全米株式か、全世界株式か。
- “無敵定年” を最速達成する方法。
- インデックス投資の注意点。
- 米国債やドル建て社債に投資する方法。
第1章:新NISAは「始めなきゃ損!」と煽りゼロで断言できるワケ。
本章では、新NISAのメリットと仕組みについて解説しています。
新NISAは、非課税で投資ができる制度で、年間360万円まで、生涯で1,800万円までの投資が可能です。
また、非課税期間は無期限で、投資した商品はいつでも売却できます。
新NISAは旧NISAよりも柔軟性と利便性が高く、長期的な資産形成に適しています。
新NISAを始めるには、まず証券会社やネット証券で新NISA口座を開設しましょう。
おすすめはネット証券です。
コストが安く、手軽に売買できます。
手数料の高い金融商品を売りつけられることもないので安心です。
口座が開設できたら、投資したい商品を選んで、積立投資枠や成長投資枠に割り当てましょう。
積立投資枠は、毎月一定額でインデックス投資などの分散投資を行う枠で、年間120万円まで。
成長投資枠は、個別株やテーマ投資などの成長性の高い商品を選ぶ枠で、年間240万円まで投資できます。
積立投資枠と成長投資枠は併用できるから、自分の目的やリスク許容度に合わせて使い分けましょう。
- 非課税で投資ができる。
- 積立投資枠は年間120万円まで投資可能。
- 成長投資枠は年間240万円まで投資可能。
- 合計年間360万円、最大1,800万円まで投資可能。
- 非課税期間は無期限。
- いつでも売却できる。
第2章:ドルコスト平均法“最強神話” を揺るがす新NISAの『億りびと』戦略。
本章では、新NISAの積立投資枠を使って、インデックス投資を行う際の戦略について解説しています。
インデックス投資とは、市場全体の動きに連動する商品(インデックスファンドやETFなど)を購入する投資法です。
手数料が安く、分散効果が高く、長期的に安定したリターンが期待できます。
そして、インデックス投資でよく用いられる方法に、ドルコスト平均法があります。
これは、毎月一定額を投資することで、株価の変動に左右されずに平均的なコストで購入する方法です。
感情に左右されずに機械的に投資できることや、株価が下がったときには多くの株を買えます。
- 市場全体の動きに連動する投資商品を買う手法。
- メリット
手数料が安い。
分散効果が高い。 - 長期的に安定したリターンが期待できる。
しかし、ドルコスト平均法は必ずしも最適な方法だとは限りません。
株価が上がったときには少ない株しか買えないことや、株価が下がり続けるときには損失が拡大してしまいます。
また、ドルコスト平均法は、株価の上昇傾向が強い場合には、一括投資に劣ることが多いという研究結果もあります。
- 定期的に一定額を投資することで平均的なコストで購入できる。
- メリット
機械的に投資できる。
株価が下がればたくさん買える。 - デメリット
株価が上がると少ししか買えない。
株価が下がり続けると損失が拡大する。
そこで、ライオン兄さんは、新NISAの『億り人』戦略を提案しています。
『億り人』戦略とは、新NISAの積立投資枠を使って、インデックス投資を行う際に、この3つに注意する戦略です。
ポイント1:非課税枠をできるだけ早く埋める。
まず、非課税枠を早く埋めることで、非課税期間を長くしましょう。
非課税期間が長ければ長いほど、複利効果が発揮されやすくなります。
非課税枠を埋めるために、毎月10万円を積み立てることをおすすめします。
もし10万円が無理なら、5万円でもかまいません。
ただし、5万円以下になると、非課税枠を埋めるのに15年以上かかるので、あまりおすすめできません。
ポイント2:インデックスファンドの分配金を再投資する。
次に、インデックスファンドの分配金を再投資することで、資産を増やしましょう。
インデックスファンドは、市場全体の動きに連動するだけでなく、市場全体の配当も受け取ることができます。
この配当を再投資することで、インデックスファンドの保有数を増やし、さらに配当を受け取るという好循環が生まれます。
効率よく分配金を再投資するために、分配金再投資型のインデックスファンドをおすすめします。
分配金再投資型のインデックスファンドは、分配金を自動的に再投資するから、手間がかかりません。
ポイント3:インデックスファンドの売却は最小限にする。
最後は、インデックスファンドの売却を最小限にすることで、非課税枠を有効に使いましょう。
インデックスファンドを売却すると、非課税枠が減ってしまいます。
非課税枠が減ると、非課税期間が短くなり、複利効果が弱まってしまいます。
したがって、インデックスファンドの売却は、必要最低限にとどめることをおすすめします。
どうしてもまとまったお金が必要になったとき以外は、老後まで積み立て続けましょう。
- 非課税枠をできるだけ早く埋める。
- インデックスファンドの分配金を再投資する。
- インデックスファンドの売却は最小限にする。
第3章:リターンが死ぬほど変わる、「頭のいい人」のファンド選定術。
本章では、新NISAの成長投資枠を使って、個別株やテーマ投資などの成長性の高い商品を選ぶ際のファンド選定術について解説しています。
成長投資枠は、年間240万円まで投資できる枠で、市場平均よりも高いリターンを狙うことができます。
しかし、成長投資はリスクも高いため、適切な商品選択が必要です。
そこで、成長投資枠でのファンド選定において、この4つのポイントに注意しましょう。
ポイント1:成長性の高いテーマを探す。
まず、成長性の高いテーマを探し、将来的に価値が上がる商品を見つけましょう。
成長性の高いテーマとは、例えば、人口増加や高齢化・環境問題・テクノロジー革新など、社会や経済の変化に伴って需要が高まる分野です。
- 自分の興味や関心のある分野を探す。
- ニュースや雑誌などのメディアで話題になっている分野を探す。
- 電子書籍サイトなどでベストセラーになっている分野を探す。
ポイント2:テーマに沿ったファンドを選ぶ。
次に、テーマに沿ったファンドを選び、テーマの成長に連動するリターンを狙いましょう。
テーマに沿ったファンドとは、例えば、医療やバイオテクノロジー・エネルギー・インターネットなど、特定の分野に特化した商品です。
情報は鵜呑みにせず、自分でも確かめましょう。
ポイント3:ファンドのパフォーマンスをチェックする。
さらに、ファンドのパフォーマンスをチェックすることで、ファンドの過去の実績や将来の見通しを評価しましょう。
ファンドのパフォーマンスは、こんな指標をチェックしましょう。
- 純資産総額(AUM)
ファンドに投資されている総額のことで、ファンドの規模や人気を表す。
AUMが大きいほど、ファンドの安定性や信頼性が高い。
AUMが大きすぎると、ファンドの運用が柔軟にできなくなったり、リターンが低下する可能性もある。
目安は、AUMが100億円以上のファンドがおすすめ。 - 運用実績(NAV)
ファンドの1口当たりの価値のことで、ファンドの成長度を表す。
ファンドの保有する資産の価値や分配金の支払いなどによって変動する。
NAVが高いほど、ファンドのパフォーマンスが良い。
NAVが高いからといって、ファンドが必ず良いとは限らない。
NAVの絶対値よりも、NAVの変化率や推移をチェックする。 - リターン(ROI)
ファンドの投資効果のことで、ファンドの収益性を表す。
ファンドの価値の変化や分配金の受取額などによって算出される。
ROIが高いほど、ファンドの収益性が高い。
ROIが高いからといって、ファンドが必ず良いとは限らない。
ROIの絶対値よりも、ROIの変化率や推移をチェックする。 - リスク(SD)
ファンドの価値の変動のことで、ファンドの安定性を表す。
ファンドの価値の平均からのずれの大きさを表す統計的な指標。
SDが低いほど、ファンドの価値が安定している。
SDが低いからといって、ファンドが必ず良いとは限らない。
SDの絶対値よりも、SDの変化率や推移をチェックする。 - シャープレシオ
ファンドのリターンとリスクのバランスを表す指標。
ファンドのリターンから無リスク金利を引いた値を、ファンドのSDで割った値。
シャープレシオが高いほど、ファンドのリターンとリスクのバランスが良い。
シャープレシオを使って、同じテーマのファンドを比較する。
ポイント4:ファンドのコストを比較する。
最後は、ファンドのコストを比較し、手数料や費用を抑えましょう。
例えば、信託報酬や販売手数料・信託財産留保額など、ファンドの運用や購入にかかる費用です。
一般に、ファンドのコストが低いほど、ファンドの収益性は高くなります。
コストを比較するにはこれらをチェックしましょう。
- 信託報酬率
ファンドの運用にかかる費用の割合のこと。
ファンドのコストの大部分を占める。
ファンドのNAVに反映されるため、直接的にファンドのパフォーマンスに影響する。
信託報酬率が低いほど、ファンドのコストが低い。
信託報酬率1%以下のファンドを選ぶ。 - 実質費用率
ファンドの運用にかかる費用の実際の割合のこと。
信託報酬率に加えて、信託財産留保額やその他の費用も含む。
ファンドのNAVに反映されないため、信託報酬率よりも正確にファンドのコストを表す。
実質費用率が低いほど、ファンドのコストが低い。
実質費用率1.5%以下のファンドを選ぶ。 - トータルエクスペンスレシオ(TER)
ファンドの運用にかかる費用の総合的な割合のこと。
信託報酬率や実質費用率に加えて、販売手数料や償還手数料なども含む。
ファンドの運用期間や購入方法によって変わるため、ファンドのコストの最終的な判断基準となる。
TERが低いほど、ファンドのコストが低い。
TERが2%以下のファンドを選ぶ。
覚えきれない場合は、信託報酬率だけでもOKです。
第4章:「米国株 vs 全世界株」不毛なマウント合戦の“最終結論”。
本章では、インデックス投資家が最後に行き着く深淵な問題として、米国株式に投資するか、全世界株式に投資するかという選択について解説しています。
米国株式と全世界株式の違いは、米国以外の国々の株式をどれだけ含むかです。
米国株式:米国の上場企業のみを対象としたインデックス。
全世界株式:米国を含む世界中の上場企業を対象としたインデックス。
米国株式投資派と全世界株式投資派と、それぞれ根拠や理論を持っています。
- 米国は世界最大の経済大国で、経済成長やイノベーションの中心。
- 米国株は長期的に高いリターンを示し、他の国の株には投資不要。
- 米国株は世界の需要や収益を取り込み、分散の効果がある。
- 全世界株に投資すると米国株のリターンが下がり、リスクが増す。
- 新興国株に投資すると不安定さや通貨リスクなど余分なリスクが発生。
- 多くの投資家や専門家が米国株に投資している。
- 過去の米国株の実績は将来に影響しない可能性がある。
- 米国株式には不振の時期があり、その際に他の国の株式がリターンを支えたことがある。
- 全世界株に投資すると、世界の株式市場全体の動きに連動するリターンを得られる。
- 全世界株に投資すると、米国株式への偏りを避けて分散効果が期待できる。
- 新興国株に投資すると、高い成長率や低い評価水準などのメリットがある。
- 学問的な観点からは、全世界株に投資することが推奨されている。
本書では、両者の主張を公平に紹介しながら、ライオン兄さんの見解が述べられています。
結論は、米国株式に投資するか全世界株式に投資するかは、個人の好みや信念の問題であり、どちらが正しいとは断言できないとのこと。
迷ったら半々で投資するのが無難だと提案しています。
ちなみに、本記事のUP主は全世界株式派です。
第5章:「年金+分配金>生活費」の“無敵定年” を最速達成する方法。
本章では、年金と分配金の合計が生活費を上回る状態を「無敵定年」と呼び、その達成方法について解説しています。
無敵定年とは、働く必要がなくなり、自由に時間やお金を使える状態です。
無敵定年を最速で実現するには、この3つのステップを実践しましょう。
ステップ1:生活費を把握する。
まず、生活費を把握することで、無敵定年に必要な収入の目標を設定しましょう。
生活費とは、食費や住居費・光熱費・交通費・医療費・娯楽費など、日常生活にかかる費用のことです。
- 家計簿やクレジットカードの明細をチェックする。
- 家計調査や老後生活費シミュレーターを参考にする。
- 自分のライフスタイルに合わせて見積もる。
ステップ2:年金額を確認する。
次は、年金額を確認することで、無敵定年に向けての収入の基盤を把握しましょう。
年金額は、国民年金や厚生年金など、公的年金制度から受け取る金額です。
- 年金事務所やハローワークで年金記録簿を取得する。
- マイナンバーカードを使って年金ポータルサイトにログインする。
- 年金額シミュレーターを使って概算を計算する。
ステップ3:分配金額を増やす。
最後に、分配金額を増やすことで、無敵定年に必要な収入の差額を埋めましょう。
分配金額は、株式や投資信託など、金融商品から受け取る金額です。
- 高配当ETFに投資する。
- 分配金再投資型の投資信託に投資する。
- 米国株や米国債に投資する。
第6章:「インデックスが報われない未来」に備える一つの方法。
本章では、インデックス投資が報われない可能性について議論しています。
インデックス投資とは、市場全体の動きに連動するインデックスファンドに投資することで、市場平均のリターンを得ることを目指す投資法です。
インデックス投資は、手数料が安く、分散効果が高く、長期的に安定した成果が期待できます。
しかし、インデックス投資にも限界やリスクはあります。
主にこの3点に注意しましょう。
1:インデックス投資は過去の実績に基づいている。
過去の実績はあくまで過去であり、市場や環境の変化によってインデックスのパフォーマンスも変動する可能性があります。
過去に高いリターンを示した米国株式やテクノロジー株が、将来も同様に成功するかは保証されていないのです。
2:インデックス投資は市場の変化に対応できない。
市場の動きに連動する仕組みゆえ、下落時にはインデックスも下落し、不透明な状況では不利になる可能性があります。
市場が回復するまで待てれば問題ありませんが、長期的な低迷や市場構造の大きな変化には対処できません。
新型感染症や気候変動などの危機や、新興国や新産業が市場主役になる場合、インデックス投資ではリターンの獲得が難しくなる可能性があります。
3:インデックス投資は市場の効率性に依存している。
市場が効率的であれば、情報は価格に反映されるため、個別の銘柄よりも市場全体に投資することが良いとされていますが、市場が不安定であり、参加者が合理的でないか、市場の規模や流動性が低い場合は、市場が効率的ではなくなることもあります。
どんなに優れたインデックス投資も、100%リターンが保証されているわけではないのです。
第7章:「世界一安全な資産」米国債でリスクとリターンを“最適化”。
本章では、新NISAの成長投資枠を使って、世界一安全な資産と言われる米国債やドル建て社債に投資する方法について解説します。
- 満期が1年未満の短期国債(Tビル)
- 2年から10年の中期国債(Tノート)
- 10年以上の長期国債(Tボンド)
- インフレに連動する物価連動国債(TIPS)など
- ディスカウント方式:額面よりも安く買って満期時に額面で償還される。
- クーポン方式:半年ごとに利息を受け取る。
- 信用格付けが高い投資適格債(IG債):リスクが低いが、利回りは安定している。
- 信用格付けが低いハイイールド債(HY債):リスクが高いが、利回りも高い。
米国債やドル建て社債に投資するには、このような手順を踏みましょう。
- 米国債やドル建て社債の特徴やリスクを理解する。
- 投資目的・期間・リスク許容度に基づいて、米国債やドル建て社債の種類と比率を決定する。
- 米国債やドル建て社債を購入する方法を選ぶ。
- 米国債やドル建て社債のパフォーマンスや為替の動きをモニターする。
※新NISAで直接債券を買うことはできませんが、債券を含む投資信託やETFを買うことで投資できます。
1億円の作り方:まとめ
- 新NISAとは、非課税枠を活用して長期的に資産形成をするための制度。
- 早く億り人になるには低コストのファンドを買い、非課税で分配金を再投資する。
- 米国株式と全世界株式の違いは、米国株がどれだけ含まれているかの差。
- 無敵定年を最速で達成するために、生活費・年金額・分配金額を把握する。
- 新NISAで投資する商品として、高配当ETFや分配金再投資型の投資信託・米国株や米国債なども紹介。
- 新NISAで投資する際には、自分の投資目的やスク許容度に合わせて適切な商品を選ぶ。
以上、新NISAをフル活用し、無敵定年で安定した老後生活を目指しましょう!
勉強がむずかしい方は、全世界株式、いわゆるオルカンを長期で定期積立し続けましょう。
本記事の内容は、youtubeでも視聴することができます。
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