今回は、3年以上連続で分配金を増やしているREIT(リート)に注目し、おすすめの優良REITを7銘柄ご紹介します。
抽出方法は、株探から「配当」連続増配ランキングを参照しました。
検索の結果、2024年現在で、3年以上連続で増加しているREITは、13銘柄あることがわかりました。
- なぜ連続増配のREITに注目するのか?
- 銘柄の選定基準。
- おすすめの高利回りREIT7選。
この記事を読めば、非課税で高い分配金を安定的に受け取り続けることができるでしょう。
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第1話:なぜ連続増配のREITに注目するのか?
まず、REIT(リート)とは、不動産投資信託の略称で、不動産投資法人が投資家から集めた資金で運用を行い、不動産の賃貸料や売却で得た収益の一部を投資家に分配する仕組みです。
従来の不動産投資とは異なり、投資する不動産が自分のものにはなりませんが、REITを通じて間接的に不動産のオーナーとなり、運用の成果を享受できます。
- 単一用途特化型
特定の一種の不動産に絞ったREIT。
例:住宅・オフィスビル・ホテル・商業施設・物流施設・ヘルスケアなど。 - 複数用途特化型
異なる特徴を持つ複数の不動産に投資するREIT。
分散投資できるため、リスクを軽減できます。 - 地域特化型
特定の地域に絞って不動産に投資するREIT。
地域を絞ることで運用コストを抑えられますが、災害リスクも考慮する必要があります。 - REIT型ETF
上場投資信託で、複数のREITで構成される指標に連動することを目指すETFです。
分散投資効果を得やすいメリットがあります。
- 証券取引所に上場しており、売買しやすい。
- 現物の不動産を売買するわけではないので、少額から投資できる。
- 複数の不動産に投資し、リスク分散効果を期待できる。
- 専門家が運用してくれる。
- 安定した分配金や比較的高い利回りを得られる可能性がある。
株式の配当金と比べても分配金が高い銘柄が多いのも特徴ですね。
これらの理由により、高い分配金を長く受け取り続けることができ、かつ長期的に株価の上昇が見込めるようになるのです。
業績の良いREITであれば、安心して長期保有できますね。
第2話:銘柄の選定基準
では、EPSが増加し続けているREITを片っ端から買っていけば良いかというと、そうとも言い切れません。
REITにはメリットがある一方で、当然デメリットもあるからです。
- 配当控除が受けられない。
配当金は所得税の対象となり、配当控除を受けることができません。
しかしこれは、新NISAで買いつけることで非課税になります。 - 市場の変動。
REITは不動産市場の動向に影響されます。
市場の変動や利上げによる影響を受ける可能性があります。 - 制御権の喪失。
REITに投資することで、不動産の一部を所有することになりますが、全体の管理には参加できません。
制御権は得られないことに注意してください。
他にも注意点として、REITは配当性向が100%前後であることに留意しておきましょう。
REITは利益のほとんどを分配金に充てるため、「高配当利回り」を期待できますが、一方で、利益のほとんどを分配金に充てるということは、内部留保が少ないことも意味します。
内部留保は利益剰余金として純資産(自己資本)にまわりますが、内部留保が少ないために金利の変動が運用に影響を与えることもあります。
これは、業績が伴わなければ配当を上げる余地がなく、逆に業績が悪化すれば、分配金が減らされることを意味します。
したがって、しっかりと業績を伸ばし続けている銘柄を選ぶ必要があります。
また、不動産は良くも悪くも安定しており、株式のような極端な値上がりは期待できません。
値上がりが期待しにくい以上、キャピタルゲインが狙いにくく、元本割れを防ぐためにも割安のタイミングを見極める必要があります。
特に、新NISAの成長投資枠で買いつける場合は、年間の非課税枠の上限が240万円までと決まっているため、どの銘柄に投資するべきかしっかりと厳選し、購入タイミングも割安かどうか見極めるようにしましょう。
では、具体的にどんな基準で選べば良いでしょう。
おすすめは、ボラティリティが少なく、長期的に分配金を得られる銘柄です。
- 分配金が3年以上連続で増加しているREIT。
- 利回り3%以上。
- NAVが1倍割れ。
- ホテル系は除外。
NAVとは『Net Asset Value』の略称で、リートが保有している物件の純資産を軸に、投資口価格が高いかどうかを判断するためのものです。
このNAVが1倍よりも高ければ割高、1倍よりも低ければ割安と判断できます。
また、ホテル系は新型感染症などの不確定要素で、業績が悪化する可能性が顕在化しましたので、除外しました。
業績や分配金の推移などは『IR BANK』が見やすいので確認してみましょう。
今回はたった13社なので、楽勝ですね♪
第3話:おすすめの高利回りリート7選
とはいえ、忙しい人のために代わりに調べておきましたので、これから紹介するおすすめの優良銘柄を参考にしてください。
ただし、情報は古くなっている可能性があります。
最終的な確認や売買判断は、ご自身で行ってください。
(8986)大和証券リビング投資法人
大和証券リビング投資法人は、大和証券グループ本社をスポンサーとし、賃貸住宅やヘルスケア施設など、人々の生活を支える住居特化型の不動産に投資しています。
保有物件数は253物件で、取得価格合計は3,977億円(2024年3月1日時点)。
稼働率は98.4%です(2024年1月31日時点)。
売上や修正一株益は右肩上がりとなっています。
分配金は3期連続で増加し、4.57%となっています。
NAVは0.88と1倍を割れており、割安といえます。
権利確定月は3月と9月です。
(3282)コンフォリア・レジデンシャル投資法人
コンフォリア・レジデンシャル投資法人は、東急不動産ホールディングスグループをスポンサーとし、住宅特化型の不動産に投資しています。
シングル・コンパクトなどの住宅タイプが中心で、現在のポートフォリオの9割以上が東京圏の物件で構成されています。
2024年2月6時点で、所有物件数は161物件で、取得価格の合計は3,084億円。
2024年1月31日時点で、稼働率は97.1%です。
売上や修正一株益は右肩上がりとなっています。
分配金は3期連続で増加し、3.87%となっています。
NAVは0.90と1倍を割れており、割安といえます。
権利確定月は1月と7月です。
(3283)日本プロロジスリート投資法人
日本プロロジスリート投資法人は、プロロジス・グループをスポンサーとし、国際的な大手物流施設の開発および運営に特化しています。
物流施設を中心に投資しており、大型マルチテナント型物流施設(複数の企業向け物流施設)が約80%、BTS型物流施設(特定の企業向け物流施設)が約20%の割合で構成されています。
関東・関西エリアをターゲットとしており、特に関東エリアが70%以上を占めています。
2023年11月30日時点で、所有物件数は59物件で、取得価格の合計は9,167億円。
2024年1月31日時点で、稼働率は98.5%です。
売上や修正一株益は右肩上がりとなっています。
分配金は4期連続で増加し、4.07%となっています。
NAVは0.87と1倍を割れており、割安といえます。
権利確定月は5月と11月です。
(3249)産業ファンド投資法人
産業ファンド投資法人は、IIFマネジメントがスポンサーとなっており、産業用不動産に特化しています。
工場や物流施設、研究開発施設などを中心に投資しています。
JCRから「AA」の高い格付を取得しており、日銀が購入している銘柄でもあります。
2023年7月31日時点で、物件数は78棟、物件取得額は3,893億円。
稼働率は99.3%です。
売上や修正一株益は右肩上がりとなっています。
分配金は4期連続で増加し、5.38%となっています。
NAVは0.96と1倍を割れており、割安といえます。
権利確定月は1月と7月です。
(3269)アドバンス・レジデンス投資法人
アドバンス・レジデンス投資法人は、伊藤忠商事と伊藤忠都市開発をスポンサーとし、住居に特化した不動産に投資しています。
住居系REITの中で最大規模の銘柄で、2023年9月29日時点で、資産規模は4,819億円。
物件数は283棟を保有しており、東京23区の投資比率が7割を占めています。
稼働率は97.0%です。
長期発行体格付はJCRから「AA」、R&Iから「AA-」の高い格付を取得しています。
売上や修正一株益は右肩上がりとなっています。
分配金は6期連続で増加し、3.81%となっています。
NAVは0.95と1倍を割れており、割安といえます。
権利確定月は1月と7月です。
(3481)三菱地所物流リート投資法人
三菱地所物流リート投資法人は、三菱地所グループをスポンサーとし、物流施設特化型の不動産に投資しています。
三菱地所は、不動産開発や運用、賃貸管理など幅広い不動産関連事業を展開しており、その総合力を活かして運用されています。
物流拠点や倉庫、配送センターなど、物流施設を主な投資対象とし、長期の賃貸借契約を主体として、安定した収益を確保しています。
2023年9月29日時点で、保有物件数は34棟、取得価格合計は2,710億円です。
稼働率は99.9%です。
長期発行体格付はJCRから「AA」の高い格付を取得しています。
売上や修正一株益は右肩上がりとなっています。
分配金は11期連続で増加し、4.51%となっています。
NAVは0.89と1倍を割れており、割安といえます。
権利確定月は2月と8月です。
(8966)平和不動産リート投資法人
平和不動産リート投資法人は、平和不動産をスポンサーとし、主に東京都区部を中心とするオフィスやレジデンスに投資しています。
2024年2月29日時点で、保有物件数は126物件で、取得価格合計は2,305億円です。
2024年1月31日時点で、稼働率は97.98%です。
売上や修正一株益は右肩上がりとなっています。
分配金は17期連続で増加し、4.96%となっています。
NAVは0.93と1倍を割れており、割安といえます。
権利確定月は5月と11月です。
分配金連続増加の高利回りREIT:まとめ
各おすすめのREITの分配金の連続増加記録とNAV、利回りを列挙します。
証券コード | 銘柄名 | 連続増配期数 | NAV | 利回り |
8986 | 大和証券リビング投資法人 | 3期 | 0.88 | 4.57% |
3282 | コンフォリア・レジデンシャル投資法人 | 3期 | 0.87 | 3.87% |
3283 | 日本プロロジスリート投資法人 | 4期 | 0.87 | 4.07% |
3249 | 産業ファンド投資法人 | 4期 | 0.96 | 5.38% |
3269 | アドバンス・レジデンス投資法人 | 6期 | 0.95 | 3.81% |
3481 | 三菱地所物流リート投資法人 | 11期 | 0.89 | 4.51% |
8966 | 平和不動産リート投資法人 | 17期 | 0.93 | 4.96% |
以上、全体的に、RSIの指標からして売られすぎの水準にあり、割安で放置されている一方、今後ゼロ金利が解除されると業績に悪い影響が出るので、買い時はしっかりと見極めましょう。
あなたもおすすめREITがあれば、ぜひコメントで教えてくださいね。
本記事の内容は、youtubeでも視聴することができます。
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