今回は『新NISA対応 超改訂版 難しいことはわかりませんが、お金の増やし方を教えてください!』について解説します。
本書は、経済評論家である山崎元さんと大橋弘祐さんによって共著された本です。
本書:山崎元さんのプロフィール
山崎元さんは、経済評論家で、国家公務員共済組合連合会資産運用委員会委員、楽天証券経済研究所客員研究員(2005年~2023年3月)、獨協大学経済学部特任教授(2010年度-2015年度)などを歴任しました。
資産運用及び経済全般の分析を専門とし、お金の運用、経済一般、転職と自己啓発といった分野で活動していました。
金融商品の選定に関して非常に厳しい見解を持っており、「世の中にある運用商品の99%以上は、はじめから検討に値しないクズだ」と警告していました。
また、金融機関が売ろうとしている「典型的なダメ投信」の商品と売り方の特徴を示し、投資家に対して手数料を知らずに商品を買うことの危険性を説いていました。
彼の著作や活動は、多くの投資家に影響を与え、賢明な資産運用の知識を広めることに貢献しました。
お金の増やし方を教えてください!:要約
本書は、投資初心者やお金の知識がない人々に向けて、シンプルでわかりやすい言葉で投資の基本を解説しています。
投資に関する専門用語を最小限に抑え、誰にでも理解しやすい形で投資の方法を説明しているため、投資に興味はあるがどこから始めていいかわからないという方に特におすすめです。
新NISA(少額投資非課税制度)にも対応した内容に改訂されているから、これから投資を始める人にとって有益な情報となるでしょう。
本書を読めば、それだけで投資の基本にして王道を知り、最小限のリスクで市場の平均リターンを得られるでしょう。
キャッチコピーをつけるなら『これが投資の最適解!』です。
第1章:いつ投資を始めるか?
結論から先に述べると、「いま」もしくは、「給料が出たとき」です。
投資を先延ばしにせず、可能な限り早く始めましょう。
なぜなら、投資において時間は非常に重要な要素であり、投資期間が長ければ長いほど、複利の効果を享受できるからです。
「いま」という選択肢は、投資の機会を逃さないために、今すぐ行動を起こしましょう。
市場が上昇している時も下落している時も、時間を味方につけるためには早めに投資を開始すると有利です。
また、「給料が出たとき」という選択肢は、定期的な収入がある時に投資を行うべきであることを示唆しています。
その理由は、給料日に投資資金を確保しやすいからです。
給料日に投資を行うことで、毎月一定額を投資に回すことが習慣化され、長期的な資産形成につながります。
投資を始める最適なタイミングは個人の状況によって異なるものの、早めに始めることが長期的な成果につながるという考えを伝えています。
第2章:証券口座はどこにするか?
結論から述べると、「SBI証券」か「楽天証券」のいずれかに口座を開設しよう。
この2つの特徴は次のとおり。
SBI証券
- 国内外の株式・投資信託・FX・NISAなどの取引を提供している。
- 新NISAの開始に伴い、口座のお乗り換えやサービスのご案内もある。
- 暗号資産やiDeCo・投資情報メディアなどの情報も充実している。
- ポイントサービスがあり、取引に応じてポイントが貯まるシステムを採用している。
楽天証券
- 株式・FX・投資信託・確定拠出年金・NISAなどのネット証券サービスを提供している。
- ポイント投資やiDeCo、NISAなどの投資スタイルや手数料・ツール、セミナー情報などを紹介している。
- 楽天グループの一員として、楽天ポイントを活用した投資が可能。
- 投資未経験者でも安心して利用できるサポート体制が整っている。
どちらの証券会社も、オンラインで手軽に取引ができる点が魅力です。
売買手数料も国内株取引なら0円でできます。
投資スタイルや利用したいサービスに合わせて選択しましょう。
選ぶ際には、手数料の安さ・サービスの充実度・ポイントプログラムの有無など、自分にとって重要なポイントを比較検討することをおすすめします。
第3章:投資商品は何を買うか?
結論から述べると、「eMAXIS Slim全世界株式全世界株式(オール・カントリー)」いわゆる「オルカン」一択です。
これは、日本を含む先進国および新興国の株式に広く分散投資を行うインデックス型の投資信託です。
このファンドは、MSCIオールカントリーワールドインデックス(配当込み・円換算ベース)に連動する投資成果を目指して運用されています。
世界中の多様な企業に投資することで、国際分散投資の効果を得ることができるため、個人投資家にとって魅力的な選択肢となっています。
ファンドの主な特徴
- 購入時手数料無料(ノーロード)で、つみたてNISA対象の追加型投信。
- 運用管理費用、(信託報酬)は非常に低く、年率0.05775%。
- 分配金は、運用状況によって変わる場合がありますが、直近の決算では分配金は0円。
- 純資産総額は非常に大きく、1兆8205.66億円。
- 基準価額は、2023年12月29日時点で20,899円。
第4章:どのように買うか?
結論から述べると、「NISA」と「iDeCo」を活用して買いつけましょう。
「NISA」と「iDeCo」は、日本で利用できる二つの異なる投資・貯蓄支援制度だ。
それぞれの制度には特徴があり、利用することで税金の優遇を受けることができるよ。
NISAとiDeCoの特徴
「NISA」は、少額投資非課税制度のことで、個人が株式や投資信託などの金融商品に投資した場合、通常は約20%の税金がかかる利益や配当が非課税になる制度です。
2024年1月からは「新NISA」になり、さらに使いやすくなっています。
- 非課税保有期間が無期限化した。
- 口座開設期間が恒久化した。
- つみたて投資枠と成長投資枠を併用できる。
- 年間投資枠が拡大され、つみたて投資枠は年間120万円、成長投資枠は年間240万円、合計最大年間360万円まで投資が可能。
- 非課税保有限度額は全体で1,800万円、(成長投資枠は1,200万円まで)。
「iDeCo」は、個人型確定拠出年金のことで、公的年金に加えて私的年金を形成するための制度です。
iDeCoでは、自分で拠出した掛金を自分で運用し、資産を形成します。
掛金は65歳になるまで拠出可能で、60歳以降に老齢給付金を受け取れます。
税制上の優遇措置があり、掛金の拠出額・運用益・受け取り時の所得に対して税金がかかりません。
第5章:いくら買うか?
結論から述べると、生活費を除いた無理のない範囲で投資しましょう。
ポイントは次のとおりです。
家計状況の把握
まずは自分の家計状況をしっかりと把握しましょう。
毎月の収支を確認して、無駄な出費がないかチェックすることが重要です。
貯金の目標額の設定
生活費の7.5カ月分を貯金として確保することが推奨されています。
万が一の事態に備えて自分を守るためです。
投資金額の決定
無理のない範囲で投資を始めるに、月に3000円から投資を始めることをすすめています。
これにより、投資が自分に向いているかどうかを確認することができます。
あとはSBI証券か楽天証券に口座を開いて、eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)を定期的に買いつけましょう。
第5章:買った後はどうするか?
結論から述べると「ひたすら待つ」です。
長期投資は、金融資産を数年単位で保有し続けることで、市場の変動に左右されずに安定したリターンを目指せます。
長期投資するメリットはこのとおりです。
複利効果
長期投資は「複利」の恩恵を受けやすいです。
複利とは、元本とその元本につく利息の両方に、新たな利息がつくことを指します。
これにより、投資額が時間とともに雪だるま式に増加する可能性があります。
リスクコントロール
長期保有により、市場の短期的な変動から影響を受けにくくなります。
これにより、安心して投資を続けることができます。
時間を取られない
長期投資は、日々の市場の値動きを監視する必要がないため、忙しい人でも運用がしやすくなります。
どうしてもまとまったお金が必要になった時以外は、老後までコツコツ積み立てましょう。
使うときになっても、一度に引き出さず、必要な分だけ取り崩すと良いです。
お金の増やし方を教えてください!:まとめ
- 「いま」もしくは「給料が出たとき」に投資を始める。
- 「SBI証券」か「楽天証券」で投資を行う。
- 「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」に定期的に積み立てる。
- 「NISA」や「iDeCo」を活用する。
- 生活費を除いた無理のない範囲で投資する。
- 積み立て続けながら「ひたすら待つ」。
以上、オルカンへの長期投資は、特に初心者におすすめされる方法で、少額から始めることができ、投資に関する知識が少ない方でも時間をかけて経験を積みながら資産を増やすことができます。
まとめると「インデックス投資が最適解」という結論になります。
本記事の内容は、youtubeでも視聴することができます。
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