今回は、TOPIXの見直し案の発表を受けて、今後組み替え候補になるかもしれない銘柄から、高配当株を3銘柄紹介します。
- TOPIXの見直し案とは。
- TOPIX組み替え候補の高配当株3選。
- TOPIX除外候補一覧。
組み替えが行われれば、対象となった銘柄の値上がりが期待できますね。
この動画を観れば、配当を得ながら、TOPIXの組み換えとともに株価の上昇を狙えるでしょう。
第1話:TOPIXの見直し案とは
まず、TOPIX(東証株価指数)は、日本の株式市場を広範に網羅し、投資対象としての機能性を有するマーケット・ベンチマークです。
1969年7月1日の算出開始以来、広く市場関係者に利用されてきました。
このTOPIXについて、2024年6月19日に、日本取引所グループが新たな見直し案を発表しました。
今後市場関係者の意見を募りながら策定される予定ですが、現状判明している見直し案のポイントはこのとおりです。
全市場対象が対象となる
新TOPIXは、東証プライム市場だけでなく、スタンダードやグロース市場に上場している銘柄も対象に含まれます。
浮動株時価総額が重視される
選定基準として、浮動株時価総額が重要な要素です。
浮動株時価総額の上位96%以内に入る銘柄が選ばれ、流通株式時価総額が100億円未満の銘柄は除外されます。
現状組み入れられている銘柄も、100億円未満は2025年1月の最終営業日に除外されてしまうのですね。
売買回転率
年間の売買回転率が20%以上の銘柄が選定されます。
これは、銘柄の流動性を示す指標です。
一定期間の売買高を同期間の平均上場株式数で割って求められ、一般的に、売買回転率が高いほど売買が活発で、値動きが大きい傾向にあります。
- 売買回転率={(期間)売買高/(期間)平均上場株式数}×100
- 平均上場株式数=(前期未上場株式数+当期末上場株式数)/2
定期的な見直しが行われる
毎年10月末に、前年8月の最終営業日のデータを基準にして、銘柄の入れ替えが行われます。
これにより、TOPIXの現代性と関連性が保たれます。
段階的な移行
新ルールは2026年10月から2028年10月にかけて段階的に移行される予定です。
これにより、市場への影響を緩和しながら、新しい基準に従ってTOPIXが更新されます。
まとめ
以上の基準により、トピックスはより市場の動向を反映した指数となり、投資家にとって有用なベンチマークを提供することを目指しています。
まとめると、今回の見直しで、プライム市場が中心だった構成銘柄に、スタンダードとグロース市場が加わり、一方で、現在約2,200ある構成銘柄が、段階的に約1,200銘柄まで絞り込まる見込みです。
その後は流動性を重視し、定期的に銘柄の入れ替えが行われることになります。
市場区分を問わず、より活発に売買されている銘柄と入れ替えていきます。
第2話:TOPIX組み替え候補の高配当株3選
- スタンダード市場・グロース市場に上場している。
- 各市場の売買代金上位150銘柄(2024年6月21日時点)。
- 配当利回り2.5%以上。
- 売上高・EPSが右肩上がり。
- 10年以上無配・減配無し。
浮動株時価総額は、時価総額かける浮動株の割合で計算できます。
各市場の売買代金上位に絞る理由は、不動時価総額と売買回転率の高さを保証するためです。
売買代金ランキングは、ヤフーファイナンスの『株式ランキング』から確認できます。
そのほか、業績や配当の推移などは『IR BANK』が確認しやすいです。
ただし、情報は古くなっている可能性がありますし、未来の結果を保証するものではありません。
最終的な確認や売買判断は、ご自身で行ってください。
(6670)MCJ
MCJは、スタンダード市場に上場しています。
パソコンの製造・販売を主軸としており、自社ブランド「マウス」で知られています。
周辺機器や総合エンターテインメント事業も展開しており、液晶ディスプレイやタッチパネル、デジタルサイネージなどの分野でも事業をおこなっています。
また、インターネット通販や複合店舗を通じた販売・アミューズメント施設やフィットネスクラブ・カラオケ・eスポーツ関連の事業も手掛けています。
テレワークや生活防衛といった現代のニーズに応える製品やサービスの提供にも注力しています。
時価総額は約1,419億円で、浮動株は7.8%なので、流通株式時価総額は約111億円になります。
配当金は1株当たり40円で、利回りは約2.61%です。
配当性向は約46.2%で、12年連続増配を続けています。
図では2025年に減配するように見えますが、これは2024年に記念配当20円があったためで、普通配当は37円だったので、実質的には増配されています。
営業収益とEPSは右肩上がり。
過去10年間の株価チャートは右肩上がりとなっています。
過去10年間の平均PERは約10.10倍で、2024年の予想EPS129.25円から計算すると、適正価格は約1,305円になります。
権利確定月は3月のみの一括配当です。
(8117)中央自動車工業
中央自動車工業は、スタンダード市場に上場しています。
自社で企画したコーティング剤やその他の自動車用品を販売している企業です。
また、自動車の補修部品の輸出事業もおこなっており、国内だけでなく海外市場にも積極的に展開しています。
時価総額は約1,099億円で、浮動株は9.1%なので、流通株式時価総額は約100億円になります。
配当金は1株当たり135円で、利回りは約2.73%です。
配当性向は約30.2%で、10年連続増配を続けています。
営業収益とEPSは右肩上がり。
過去10年間の株価チャートは右肩上がりとなっています。
過去10年間の平均PERは約10.47倍で、2024年の予想EPS440.25円から計算すると、適正価格は約4,609円になります。
権利確定月は3月と9月です。
(9436)沖縄セルラー
沖縄セルラー電話は、スタンダード市場に上場しています。
KDDI傘下の総合通信会社で、沖縄県において携帯電話のシェアが約50%という圧倒的な地位を占めています。
固定通信サービスも提供しており、これらのサービスを通じて顧客基盤の拡大を図っています。
時価総額は約1,724億円で、浮動株は13.2%なので、流通株式時価総額は約228億円になります。
配当金は1株当たり120円で、利回りは約3.09%です。
配当性向は約44.9%で、23年連続増配を続けています。
営業収益とEPSは右肩上がり。
過去10年間の株価チャートは右肩上がりとなっています。
過去10年間の平均PERは約12.70倍で、2024年の予想EPS258.54円から計算すると、適正価格は約3,283円になります。
権利確定月は3月と9月です。
第3話:TOPIX除外候補の高配当株一覧
ここでは、逆にTOPIXから除外対象となっている銘柄一覧を紹介します。
値下がりする可能性がある銘柄ということになりますね。
除外対象となる銘柄は、日本取引所グループが公表している『TOPIXにおける段階的ウエイト低減銘柄一覧(再評価後の取扱い)』を参照しました。
(2) 段階的ウエイト低減を継続する銘柄(銘柄コード順)が除外の対象となります。
各自、自分のポートフォリオに入っているかご確認ください。
TOPIX入れ替え期待の高配当株:まとめ
証券コード | 銘柄名 | 配当利回り |
6670 | MCJ | 2.61% |
8117 | 中央自動車工業 | 2.73% |
9436 | 沖縄セルラー電話 | 3.09% |
以上、今回紹介した銘柄のなかでも、特に沖縄セルラーが最有力候補になるのではないでしょうか。
むしろスタンダード市場に上場していることに驚きますね。
他の優良な高配当株も、グロース市場よりもスタンダード市場に多い印象でした。
グロース市場には、上場から日が浅く、配当よりも成長投資を優先している企業が多いので、当然の結果といえますね。
本記事の内容は、youtubeでも視聴することができます。
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