2024年3月9日、日経平均先物が急落しましたね。
新NISAを使って今年から投資を始めた投資初心者にとっては、初めての大きな下落相場となるかもしれません。
いったい何が起きているのか、これからどうしたらいいのか慌てている人も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、株価が下落し始めたときにとってはいけないNG行動について解説します。
また、以前投稿している『日経平均が最高値を超えるとどうなるのか?』も合わせて参考にしてください。
- 株価が下落している要因3選。
- 株価暴落時のNG行動5選。
この記事を読めば、暴落時にやっていけない行動と具体的な対処方法がわかります。
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第1話:株価が下落している要因3選
まず、なぜこのタイミングで株価が急落したのか、その要因を解説します。
要因1:MSQ
MSQとは、メジャーエスキューと呼ばれ、日経225先物と日経225オプションの決済日を指します。
SQは毎月第2金曜日に設定されており、MSQは3月・6月・9月・12月の第2金曜日が該当します。
今年3月のMSQは、3月8日(金)でした。
日経225先物と日経225オプションの決済価格を巡る思惑的な売買が膨らみやすいため、MSQ当日にはストップ高やストップ安などの異常な気配値で始まることがあります。
実際に暴落した場合は、ヘッジファンドなどによる売り崩しや裁定取引が影響しています。
このように、SQやMSQは株価に影響を及ぼす重要な日であり、投資家はこれらの日程を強く意識しておくべきです。
特に3月のMSQは株価が荒れやすい印象がありますね。
要因2:米国市場の下げ
3月8日金曜日の米国株式市場は、半導体銘柄が下げに転じたため、市場全体も下落で終わりました。
これにつられる形で日経先物も急落しています。
アメリカがくしゃみをすると日本が風邪をひく、と言われるくらい、日経はアメリカ経済の影響をもろに受けるのです。
要因3:円高
また、米雇用統計の発表を受け、米労働市場の過熱感の薄れからFRB(米連邦準備理事会)が年前半の利下げをする観測が強まりました。
アメリカが利下げを行うと、アメリカドルの価値を下げ、円高が進行することになります。
実際、ドル円は一時146円48銭と、2月上旬以来の円高・ドル安水準をつけました。
さらに、日銀が3月の金融政策決定会合で、マイナス金利解除などの政策の正常化に動くとの見方が強まっていることも、円高に拍車をかけています。
マイナス金利が解除されると、ドル円の金利差が縮小し、高金利通貨を選好する投資からの円需要が高まり、株価に下落圧力がかかることになります。
輸入企業や内需株にとってはプラス要因となる可能性もありますが、日経平均採用銘柄の多くは輸出企業であるため、マイナスの影響の方がはるかに大きく、株価下落の要因となります。
また、企業が借金を考える際、銀行の貸出金利が高くなるため、お金を借りにくくなります。
これは成長への設備投資を縮小させ、業績が悪化する要因となります。
ただし、銀行株については、収益性が向上する可能性があり、プラス要因となります。
日本のゼロ金利解除については、日銀政策決定会合で、3月18日月曜日と19日火曜日に行われ、米国の政策金利については、FOMCで、3月20日水曜日と21日木曜日未明に話し合いが行われます。
第2話:株価暴落時のNG行動5選
以上の理由から、今後日本の株価にとって、厳しい状況に立たされる可能性があります。
では、新NISAで買った株は今すぐ全部売った方が良いのでしょうか?
いいえ、新NISAの場合、年間の非課税枠の上限がつみたて投資枠で120万円、成長投資枠で240万円までと決まっているため、安易に売ってしまうと投資機会を減らしてしまいます。
暴落で損しないためにも、これから解説するNG行動をよく理解し、しっかりと対処しましょう。
NG行動1:投資の世界から退場すること。
含み損になったからといって、狼狽売りをし、退場してしまうことは、もっともやってはいけない行動のひとつです。
今年の1月から2月にかけての相場が異常だっただけで、本来相場は上げ下げを繰り返しながら成長していくものです。
そんななかで稲妻が輝く瞬間(暴騰)に立ち会わなければパフォーマンスは大きく下がってしまいます。
今年の1~2月も、まさに稲妻が輝いた瞬間でしたね。
じゅうぶんな含み益になっている人は売っても良いかもしれませんが、完全に手じまいしてしまうと、次の稲妻を逃してしまうかもしれません。
単元未満株で1株だけでも残しておいて、監視し続けるなど、市場から完全に退場するのは避けましょう。
NG行動2:リバウンド狙いで全力買いすること。
逆に、株価が安くなったからといって、リバウンド狙いの全力買いも避けましょう。
市場は不安定で、さらに下落するシナリオもあり得ます。
買い向かう場合は、底をつけたかどうかテクニカル手法を用いて判断しましょう。
底打ちの代表的なチャートパターンには、セリングクライマックスやダブルボトムがあり、上昇基調に転じた場合にはゴールデンクロスがあります。
セリングクライマックス
株式市場において劇的な売り・最後の売り場・売りの大底などを意味する現象です。
セリングクライマックスが起きる背景は、外部環境の急変や投資家のパニックにより、株価が一斉に売られて大暴落することです。
投資家は総悲観状態に陥り、暴落の最終局面で発生します。
セリングクライマックスが発生すると株価が下げ止まり、リバウンドするチャンスともなります。
出来高が急増するのでよくチェックしましょう。
2020年3月の暴落時も出来高が急増していることがわかりますね。
ダブルボトム
ダブルボトムは、株価チャートにおいて、株価が同じ水準で2回底を打つパターンです。
株価が同じ水準で2回底を打った後、1回目の底を打ったときの高さまで株価が上昇し、株価が2回目の底を打ったときの高さを上回ればダブルボトムの完成です。
これは、下降トレンドが終わり、上昇トレンドに転換する兆候とみなされます。
ゴールデンクロス
移動平均線を用いたテクニカル分析で、短期の移動平均線が長期の移動平均線を下から上に突き抜ける動きを指します。
一般的に、ゴールデンクロスが発生すると相場が上昇する傾向があり、トレンドの転換点を示す重要な買いシグナルとして利用されます。
RSI
また、株価の過熱度を示す代表的なテクニカル指標として、RSIがあります。
RSIは、0から100の範囲で表され、通常70以上で買われすぎ、30以下で売られすぎと判断されます。
RSIが70を超えると、株価が過熱している可能性があり、調整が必要かもしれません。
逆にRSIが30を下回ると、株価が過度に下落している可能性があり、反発する可能性が高いです。
これらのテクニカルを用いて買うタイミングを見極めましょう。
NG行動3:買い増ししないこと。
全力買いはNGですが、かといって全く買わないのも機会損失となります。
成長投資枠で個別銘柄を買う場合、余力があるのであれば買い増すチャンスとなります。
先に述べたテクニカルを用いて底値を確認したとしても、一度には買わず、複数回に分けて買うことで、リスクを最小限に抑えられます。
余力が残っていない人は、安値で買い直すという方法もありますが、良い銘柄ほど買った株価よりも下がる可能性が低くなりますので、欲は出さない方が賢明でしょう。
NG行動4:積立をやめてしまうこと。
同様に、積立投資枠で積み立てている投資信託も、暴落時であろうと積み立て続けてください。
安くなったタイミングで積み立てることで、ドルコスト平均法が活きてきます。
ドルコスト平均法
価格が変動する金融商品を一定期間、一定額を継続的に購入する方法のことで、定額購入法とも呼ばれます。
金融商品を購入する際、一度に購入せず、資金を分割して均等額ずつ定期的に継続して投資します。
例えば、「予定資金を12分割して、月末ごとに資金の1/12を投入し、一年かけて全量を買う」という手法です。
ドルコスト平均法は、価格が低いときには多く買い、価格が高いときには少なく買うからこそ、平均購入単価を抑える効果が期待できるのです。
NG行動5:自分のポートフォリオを見直さないこと。
しかし、売らない方が良いとはいえ、ドキドキして夜も眠れない人もいるでしょう。
それは自分のリスク許容度を超えて投資している証拠です。
これを機会に自分のポートフォリオを再評価し、今後の投資計画を見直しましょう。
成長投資枠で、含み損になっている銘柄は、なぜその銘柄を買ったのか、その理由を思い出してください。
短期的なトレードが目的であれば売っても良いでしょうが、長期的な投資が目的であれば覚悟を決めてください。
決意が揺らぐようであれば、含み益になっている銘柄で買いすぎた分を利確し、整理するのも良いかもしれません。
つみたて投資枠も、無理のない金額で積み立てるように、金額設定を調節してみましょう。
大事なことは、少額でもいいから投資を続けることです。
暴落時にやってはいけない行動5選:まとめ
- 投資の世界から退場をすること。
- リバウンド狙いで全力買いをすること。
- 買い増しをしないこと。
- 積立をやめてしまうこと。
- 自分のポートフォリオを見直さないこと。
以上、新NISAは長期的に資産を築くための制度です。
短期的な値動きに一喜一憂せず、自分が立てた計画やルールに従い、コツコツ投資を続けましょう。
本記事の内容は、youtubeでも視聴することができます。
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