今回は、今年ブラックロックが買い増した、物流施設特化型のJ-REITに注目し、おすすめのJ-REITを5銘柄ご紹介します。
抽出方法は、株探から日本の大株主、大量保有報告書編からブラックロックを参照しました。
結果、今年ブラックロックが買い増したJ-REITは15銘柄あることがわかりました。
そのなかで、物流施設特化型は6銘柄です。
J-REITについての解説はコチラで行っていますので、合わせて参考にしてください。
- なぜブラックロックに注目するのか?
- なぜ物流施設特化型に注目するのか?
- 銘柄の選定基準。
- おすすめの物流施設特化型J-REIT5選。
この動画を見れば、非課税で高い分配金を安定的に受け取り続けることができるでしょう。
キャッチコピーをつけるなら『新NISAで非課税不労所得!』です。
第1話:なぜブラックロックに注目するのか?
まず、ブラックロックとは、アメリカ合衆国に本社を置く資産運用会社で、世界三大運用会社の一角として知られています。
同社は1988年に設立され、当初は企業リスク管理および債券の機関投資家向けの資産運用会社としてスタートしました。
その運用資産残高(AUM)は10兆ドル(約1,483兆円)であり、日本の国家予算の13倍に相当します。
そのスケールメリットを活かして運用しているETF(上場投資信託)ブランド、iシェアーズETFは、経費率の低さや流動性の高さなど、投資家にとって大きなメリットがあります。
そんなブラックロックが特定の企業の保有割合を増やすことは、その企業や市場にさまざまな影響を及ぼす可能性があります。
- 経済的影響。
ブラックロックが保有割合を増やすことで、対象企業の株式価値が上昇する可能性があります。
これは、市場参加者に対してその企業の成長や収益性に対する信頼を高めることができるためです。
また、ブラックロックの保有割合が増加すると、企業の資本調達戦略や資金調達の条件に良い影響を及ぼす可能性もあります。 - ガバナンスと経営影響。
ブラックロックは、保有企業の株主権利行使を行うことがあります。
彼らが保有割合を増やすと、企業の経営陣との対話を求めることがあり、企業の経営方針や取締役会の構成に影響を与えることがあります。 - 市場全体への影響。
ブラックロックが大量の株式を保有する場合、市場の安定性や流動性に対する影響を及ぼす可能性があります。
総じて、ブラックロックの保有割合の増加は、企業、市場、および投資家に多岐にわたる影響を及ぼすことがあります。
ブラックロックに買われるということは、それだけ社会的な信用を得られるということですね。
第2話:なぜ物流施設特化型に注目するのか?
次に、物流施設特化型のJ-REITとは、倉庫や物流施設を中心に運営し、利益を上げる不動産投資信託です。
他のカテゴリと比較して、物流施設特化型にはこのようなメリットとデメリットがあります。
- 安定した収益。
物流施設はテナントが一度入ったら入れ替わりが少ないため、中長期的に安定した賃料収入が期待できます。 - 景気の影響を受けにくい。
物流施設特化型は、オフィスビルや商業施設特化型と比べて景気の影響を受けにくい特徴があります。
例えば、インターネット通販の利用者が増加している現状を考慮すると、物流の需要は今後も強いと思われるため、期待の高いREITです。
- テナント数の少なさ。
物流施設は入るテナント数が非常に少ないため、分散効果が小さく、たった一つのテナントが退去しただけで賃料収入が大幅に減少する可能性があります。 - リスクの偏り。
物流施設特化型は一部の用途に特化しているため、その用途に関連するリスクに偏りが生じることがあります。
物流施設特化型の今後の需要については、このように予測されます。
- 「2024年問題」による効率化ニーズ。
物流業界では、トラックドライバーの労働時間を短縮しつつも輸送量を維持するための効率化が求められています。
この「2024年問題」を背景に、物流の効率化ニーズは高まっており、先進的な物流施設への需要が増加することが予想されます。 - ITリテラシーの向上とEC市場の成長。
全人口に占めるITリテラシーが高い世代の割合が増えることで、EC市場や3PL市場が成長しています。
これに伴い、大規模物流施設への需要も底堅いと考えられます。 - 新規供給と競合環境。
2023年から2025年にかけて、東京圏における大型物流施設の新規供給が増加する見込みです。
一方で、テナント需要は依然として拡大傾向にありますが、競合環境が厳しくなる可能性もあります。 - サステナビリティへの重要性。
物流施設市場では、サステナビリティが注目されています。
環境への配慮や省エネルギー施策を取り入れた物流施設への需要が増加していることも考慮すべきポイントです。
総じて、物流施設特化型の需要は今後も底堅く、効率化やサステナビリティに焦点を当てた施設が求められるでしょう。
2024年問題は、特に影響が大きそうですね。
第3話:銘柄の選定基準
では、ブラックロックが買い増した物流施設特化型のJ-REITを片っ端から買っていけばいいかというと、そうではなく、必ず利益が出るとは保証できません。
投資にはリスクが伴い、市場環境は変化する可能性があります。
十分なリサーチを行い、ご自身の投資目標やリスク許容度を考慮した上で判断することが肝要です。
特に、新NISAの成長投資枠で買いつける場合は、年間の非課税枠の上限が240万円までと決まっているため、どの銘柄に投資するべきかしっかりと厳選し、購入タイミングも割安かどうか見極めましょう。
おすすめは、ボラティリティが少なく、長期的に分配金を得られる銘柄です。
- 今年ブラックロックが買い増したJ-REIT。
- 物流施設特化型。
- 利回り3.00%以上。
- NAVが1倍割れ。
業績や分配金の推移などは『IR BANK』が見やすいので確認してみましょう。
今回はたった15社なので、楽勝ですね。
第4話:おすすめの高利回りJ-REIT5選
とはいえ、忙しい人のために代わりに調べておきましたので、これから紹介するおすすめの優良銘柄を参考にしてください。
ただし、情報は古くなっている可能性があります。
最終的な確認や売買判断は、ご自身で行ってください。
(2979)SOSiLA物流リート投資法人
SOSiLA物流リート投資法人は、住友商事をスポンサーとし、物流不動産およびインダストリアル不動産へ投資する投資法人です。
住友商事グループが有する不動産事業の知見と開発力、私募リートおよび私募ファンドの運用を通じて蓄積したノウハウを活用し、投資主価値の最大化を追求しています。
住友商事が開発する物流施設であるSOSiLAシリーズに重点的に投資しており、物流施設の成長戦略を推進しています。
また、最大20%までインダストリアル不動産(データセンター、通信施設、研究施設、工場、資材・車両ヤード、空港・港湾関連など)にも投資しています。
ブラックロックの保有割合は、2月20日に、7.23%から8.25%に増加したと報告されています。
2023年11月30日時点で、保有物件数は17棟、取得価格合計は1,425億円です。
稼働率は100%です。
長期発行体格付はJCRから「AA-」の高い格付を取得しています。
営業収益や資産は右肩上がりとなっています。
分配金も右肩上がりで、利回りは4.75%となっています。
NAVは0.83と1倍を割れており、割安といえます。
権利確定月は、5月と11月です。
(3466)ラサールロジポート投資法人
ラサールロジポート投資法人は、外資系の不動産投資顧問大手であるラサール不動産投資顧問株式会社をスポンサーとし、物流施設を投資対象とする不動産投資法人です。
主に、東京エリアと大阪エリアに所在する「プライム・ロジスティクス」への重点投資を通じて、質の高いポートフォリオを構築しています。
また、スポンサー開発物件の他、外部の再開発物件や低稼働物件のリースアップなど、収益のアップサイドが期待できる案件にも投資しています。
ブラックロックの保有割合は、2月20日に、5.32%から6.28%に増加したと報告されています。
2024年2月16日時点で、保有物件数は23棟、取得価格合計は3,809億円です。
稼働率は99.2%です。
営業収益や資産は右肩上がりとなっています。
分配金は横ばいで、利回りは4.74%となっています。
NAVは0.93と1倍を割れており、割安といえます。
権利確定月は、2月と8月です。
(3481)三菱地所物流リート投資法人
三菱地所物流リート投資法人は、三菱地所グループをスポンサーとし、物流施設を投資対象とする不動産投資法人です。
三菱地所は、不動産開発や運用、賃貸管理など幅広い不動産関連事業を展開しており、その総合力を活かして運用されています。
物流拠点や倉庫、配送センターなど、物流施設を主な投資対象とし、長期の賃貸借契約を主体として、安定した収益を確保しています。
ブラックロックの保有割合は、2月20日に、6.22%から6.49%に増加したと報告されています。
2023年9月29日時点で、保有物件数は34棟、取得価格合計は2,710億円です。
稼働率は99.9%です。
長期発行体格付はJCRから「AA」の高い格付を取得しています。
営業収益や資産は右肩上がりとなっています。
分配金は11期連続で増加し、利回りは4.41%となっています。
NAVは0.92と1倍を割れており、割安といえます。
権利確定月は、2月と8月です。
(3487)CREロジスティクスファンド投資法人
CREロジスティクスファンド投資法人は、CREグループをスポンサーとし、物流施設を投資対象とする不動産投資法人です。
テナントニーズに応える良質な物流施設への投資により、安定的なキャッシュ・フローを創出し、投資主価値の向上を目指しています。
ブラックロックの保有割合は、3月5日に、6.95%から7.97%に増加したと報告されています。
2024年2月29日時点で、保有物件数は21棟、取得価格合計は1,595億円です。
稼働率は100%です。
営業収益や資産は右肩上がりとなっています。
分配金も右肩上がりで、利回りは4.95%となっています。
NAVは0.83と1倍を割れており、割安といえます。
権利確定月は、6月と12月です。
(3493)アドバンス・ロジスティクス投資法人
アドバンス・ロジスティクス投資法人は、伊藤忠商事と伊藤忠都市開発をスポンサーとし、物流施設を投資対象とする不動産投資法人です。
ブラックロックの保有割合は、3月5日に、7.00%から8.19%に増加したと報告されています。
2023年8月31日時点で、保有物件数は13棟、取得価格合計は1,332億円です。
稼働率は100%です。
長期発行体格付はJCRから「AA-」の高い格付を取得しています。
営業収益や資産は右肩上がりとなっています。
分配金も右肩上がりで、利回りは4.74%となっています。
NAVは0.77と1倍を割れており、割安といえます。
権利確定月は、2月と8月です。
ブラックロックが買い増したJ-REIT5選:まとめ
各おすすめJ-REITのブラックロックの保有割合と利回りを列挙します。
証券コード | 銘柄名 | 保有割合 | 利回り |
2979 | SOSiLA物流リート投資法人 | 8.25% | 4.75% |
3466 | ラサールロジポート投資法人 | 6.28% | 4.74% |
3481 | 三菱地所物流リート投資法人 | 6.49% | 4.41% |
3487 | CREロジスティクスファンド投資法人 | 7.97% | 4.95% |
3493 | アドバンス・ロジスティクス投資法人 | 8.19% | 4.74% |
以上、全体的にJ-REITは、RSIの指標からして売られすぎの水準にあり、割安で放置されている一方、今後ゼロ金利が解除されると業績に悪い影響が出る可能性があるので、買い時はしっかりと見極めましょう。
あなたもおすすめJ-REITがあれば、ぜひコメントで教えてくださいね。
本記事の内容は、youtubeでも視聴することができます。
コメント