今回は、PBRが1倍を割れている高配当株に注目し、おすすめの優良銘柄を4銘柄ご紹介します。
抽出方法は、SBI証券のスクリーニング機能を用い、PBRが0~1倍、かつ配当利回りが3.00%以上の銘柄を抽出しました。
結果、2024年3月現在で、条件に当てはまる銘柄は、502銘柄あることがわかりました。
- なぜBPR1倍割れに注目するのか?
- 銘柄の選定基準。
- おすすめの高配当株4選。
この記事を読めば、非課税で高い配当を受け取りながら、将来的なキャピタルゲインも狙えるでしょう。
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第1話:なぜBPR1倍割れに注目するのか?
PBRとは、企業の株価と純資産の比率を指す指標です。
具体的には、株価を発行済み株式数で割った「一株当たり純資産」を示します。
このPBRが1倍を割れている企業は、理論上は株式価値よりも解散価値の方が高い、今後事業継続して得られる価値よりも、会社が解散した場合に株主に分配される金額の方が高いと評価されていることを意味します。
企業の存在価値が危ぶまれますね。
この問題に対し東京証券取引所は、国際競争力を高め、海外投資家を呼び込むために改革を進めており、その一環として、PBR1倍割れの改善を促す要請が行われています。
- 成長投資。
成長投資は、企業が将来の成長を目指して行う投資です。
これには新規事業の展開・研究開発・技術革新・市場拡大などが含まれます。
成長投資を通じて、企業は収益性を向上させ、株価を引き上げることができます。 - 株主還元策(自社株買いなど)。
自社株買いは、企業が自社の株式を市場から買い戻すことです。
これにより、発行済み株式数が減少し、株主に利益をもたらします。
他の株主還元策には、配当支払いや株主優待などがあります。 - サスティナビリティ対応。
サステナビリティ(持続可能性)への取り組みは、投資家や社会からの期待が高まっています。環境・社会・ガバナンス(ESG)に配慮した経営を行い、企業価値を向上させることが求められています。 - 人的資本投資。
従業員のスキル向上・教育・トレーニング・健康管理など、人的資本への投資は重要です。
優れた人材を確保し、企業の競争力を高めるために必要です。 - 事業ポートフォリオ見直し。
企業は事業ポートフォリオを定期的に見直し、収益性の低い事業を再評価する必要があります。
収益性の高い事業にリソースを集中させ、効率的な運営を図ります。 - 制作保有株(株式持ち合い)の縮減。
企業が自社の株式を保有している場合、その割合を適切に管理する必要があります。
過剰な株式保有は、企業の資本効率を低下させる可能性があります。 - ガバナンス向上。
透明性・説明責任・取締役会の適切な構成など、ガバナンスの向上は企業価値に直結します。
投資家は良好なガバナンスを重視します。 - IRの強化。
投資家向けの情報開示(IR)を強化することで、企業の評価を高めることができます。
適切な情報提供を行い、投資家の信頼を得ることが重要です。
このような対策を通じて、企業の資本収益性や株価向上に取り組むことが求められています。
結果的に株価の上昇につながる対策ばかりですね。
第2話:銘柄の選定基準
では、BPRが1倍を割っている高配当株を、片っ端から買っていけば良いかというと、なかにはBPRの改善努力を怠っている企業もあります。
すべての銘柄で株価の上昇や配当が約束されているわけではないので、業績が悪化すれば、減配・無配に転落したり、さらに株価が低迷するリスクも存在します。
特に、新NISAの成長投資枠で買いつける場合は、年間の非課税枠の上限が240万円までと決まっているため、どの銘柄に投資するべきか、しっかりと厳選した方が良いでしょう。
では、どんな基準で選べば良いでしょうか。
おすすめは、長期的に配当とキャピタルゲイン(売買益)の両方を狙える銘柄です。
- 3月権利確定。
- PBRが1倍を割れている。
- 配当利回りが3%以上。
- 売上・EPSが右肩上がり。
- 10年以上減配無し。
業績や配当利回りの推移などは『IR BANK』が見やすいので確認してみましょう。
今回はたった502社なので、楽勝ですね。
第3話:おすすめの高配当株4選
とはいえ、忙しい人のために代わりに調べておきましたので、これから紹介するおすすめの優良銘柄を参考にしてください。
ただし、情報は古くなっている可能性があります。
最終的な確認や売買判断は、ご自身で行ってください。
(8098)稲畑産業
稲畑産業は、化学専門商社で、住友化学系でありながらも稲畑オーナーの色合いを持ちます。
主力事業は情報電子と合成樹脂で、アジアを含む広域展開を行っています。
食品も重点領域の一つとしており、川上から川下までを幅広くカバーしています。
業績は売上とEPSは、右肩上がりを続けています。
PBRは0.90倍と割安となっています。
PERは8.74倍と平年並みとなっています。
配当金は1株当たり120円で、利回りは約3.79%です。
配当性向は約33.5%で、連続増配は6年継続しています。
株価チャートは10年間キレイな右肩上がりとなっています。
権利確定月は3月と9月です。
(8584)ジャックス
ジャックスは、三菱UFJフィナンシャルグループ(MUFG)傘下の信販大手です。
主力事業はオートローンであり、クレジットカードや信用保証も強化しています。
また、東南アジアにも事業展開しています。
売上は右肩上がりで、EPSは6期連続で増加しています。
PBRは0.85倍と割安となっています。
PERは8.12倍と近年ではやや割高となっています。
配当金は1株当たり210円で、利回りは約3.90%です。
配当性向は35%に設定されていますが、現状は約30.4%で増配の余地があります。
連続増配は5年継続しています。
株価チャートは、緩やかな下落基調から一転し、新型感染症による下落以降は、キレイな右肩上がりとなっています。
権利確定月は3月と9月です。
(8593)三菱HCキャピタル
三菱HCキャピタルは、三菱UFJグループに属する企業であり、2021年4月に日立キャピタルと統合されました。
同社はリース業界において首位級の地位を誇り、海外展開においてもエムアンドエーを積極的に行っています。
売上とEPSは右肩上がりを続けています。
PBRは0.92倍と割安となっていますが、PERは12.67倍と平年より割高となっていますので、注意が必要です。
配当金は1株当たり37円で、利回りは約3.49%です。
配当性向は約40.8%で、連続増配は25年継続しています。
株価チャートは10年間レンジ相場だったのが、近年ではレンジを抜けて右肩上がりとなっています。
権利確定月は3月と9月です。
(9882)イエローハット
イエローハットは、カー用品販売で日本で2位の地位を占めています。
居抜き物件を中心とした出店戦略で、フランチャイズ向けの卸売りと自社直営店の2つの柱で事業展開を行っています。
売上は右肩上がりで、EPSは7期連続で増加しています。
PBRは0.79倍と割安となっています。
PERは8.21倍と平年より割安となっています。
配当金は1株当たり66円で、利回りは約3.47%です。
配当性向は約26.8%で、連続増配は14年継続しています。
株価チャートは10年間キレイな右肩上がりとなっています。
権利確定月は3月と9月です。
PBR1倍割れ高配当株:まとめ
各おすすめの銘柄の、PBRと配当利回りを列挙します。
証券コード | 銘柄名 | PBR | 配当利回り |
8098 | 稲畑産業 | 0.90倍 | 3.79% |
8584 | ジャックス | 0.85倍 | 3.90% |
8593 | 三菱HCキャピタル | 0.92倍 | 3.49% |
9882 | イエローハット | 0.79倍 | 3.47% |
以上、これらは、長く持ち続ければ、金の成る大木に育ってくれるでしょう。
あなたもおすすめ銘柄があれば、ぜひコメントで教えてくださいね。
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